α-エノラーゼ (ENO1) をCAA/ADトランスジェニックマウスの脳内持続投与モデルを作成し、生化学的解析と行動解析を行った。ENO1投与群では脳血管と脳実質へのAβ沈着が減少し、不溶性Aβ40、42が減少した。Y迷路試験では空間作業記憶が改善した。ENO1はAβモノマーの減少を通じてAβ重合の開始を阻害し、線維化を防ぐと考えられた。同時に、脳内でENO1がニトロシル化されることでその酵素活性が低下することも確認した。熱処理で失活したENO1の脳内投与では、Aβ沈着や空間作業記憶は改善しなかった。ENO1のニトロシル化による酵素活性低下がCAA/ADの進行に寄与する可能性が示された。
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