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2021 年度 実施状況報告書

発生・発達のメカノバイロジーを応用した前十字靭帯自己治癒機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 19KK0411
研究機関埼玉県立大学

研究代表者

国分 貴徳  埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (10616395)

研究期間 (年度) 2020 – 2022
キーワード前十字靭帯 / メカニカルストレス / 発生 / 発達 / メカノバイオロジー
研究実績の概要

今年度は,夏以降より渡航先研究機関での研究を開始する予定であったが,渡航先研究機関が医療機関内に設置されている研究部門であるため,感染症に対するレギュレーションが厳しく,今年度も渡航を断念せざるを得なかった.しかしながら,渡航先研究者とはオンラインでのコミュニケーションは継続していたため,次年度の渡航へ向けた研究費の確保を優先しながらも,渡航へ向けた予備的な研究実施を継続して行なった.
前年度までの研究成果として,正常マウスの前十字靭帯(Anteriror Cruciate Ligament: ACL)発生過程においては,胎生15.5日では膝関節内に未分化な細胞が充満している状態であるが,そこからわずか2日後の胎生17.5日では,同質の細胞のままではあるものの,ACLの形状に細胞が配列するところまで変化することを確認した.このタイミングは,四肢の筋骨格系において神経組織が筋組織に接続が見られ始める時期と同期していることから,胎生期におけるAClの組織化は,胎生後期の四肢運動により発達により誘導されている可能性が示唆された.これに対し,組織学的および分子生物学的,運動学的解析を実施し,この仮説の検証を進めた.しかしながら,対象としたマウスにおいては胎生期において四肢の運動は観察されず,発生・発達過程におけるACL成熟においては,運動による細胞配列誘導が関与しているのではないかという仮説は否定された.そのため,胎生期のACL発生・発達メカニズムと,出生後早期のACL成熟メカニズムには異なるメカニズムが存在しているのではないかという仮説に基づき,次年度は,この関連の背後にあるメカノトランスダクションメカニズム探索を進め,運動とACL発生・発達メカニズム解明につなげていきたい.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

感染症の流行に対する渡航先研究機関のレギュレーションにより,2021年度内の渡航が叶わなかったため,当初目的とした研究計画は実施できなかった.同時に次年度の渡航費を確保するため,積極的な研究費の使用を控えたことも影響している.しかしながら年明け以降にレギュレーションが変更されたことで,年度末より渡航へ向けた調整を開始しており,2022年度の渡航は決定している.なお,所属施設内における研究実施においては,研究機器・環境のアップデートに伴い,新たな系を立ち上げることができた点は今後につながると考えている.

今後の研究の推進方策

まず,年度はじめより,渡航先からの実験動物提供を受け,所属施設内での実験を開始する.これについては,所属施設内および渡航先からの提供について許諾を得ており,年度はじめより準備を開始している.
一方で,渡航終了後も渡航先で実施した内容を継続するため,所属施設および渡航先研究機関の研究実施環境を均一化する準備を進めている.これにより,次年度の渡航終了後も,渡航先研究機関と所属機関双方において,同様の内容の実験実施が可能な環境を整え,感染症により生じた計画の遅れを取り戻せると考えている.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022 2021

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] The Relationship Between Mechanical Change and Morphological Differentiation of Anterior Cruciate Ligament Development2022

    • 著者名/発表者名
      Usami Y, Saito R, Enomoto S, Aizawa Y, Funakoshi H, Kokubun T
    • 学会等名
      ORS 2022 Annual Meeting
    • 国際学会
  • [学会発表] 損傷前十字靭帯の保存的治癒確立へ向けた前十字靭帯発生・発達過程の組織学的解析2021

    • 著者名/発表者名
      宇佐美 優奈,国分貴徳
    • 学会等名
      第40回 関東甲信越ブロック理学療法士学会

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公開日: 2022-12-28  

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