研究課題/領域番号 |
19KT0002
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 特設分野 |
研究分野 |
オラリティと社会
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中村 靖子 名古屋大学, 人文学研究科, 教授 (70262483)
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研究分担者 |
大平 英樹 名古屋大学, 情報学研究科, 教授 (90221837)
金 明哲 同志社大学, 文化情報学部, 教授 (60275469)
池野 絢子 青山学院大学, 文学部, 准教授 (80748393)
重見 晋也 名古屋大学, 人文学研究科, 准教授 (40303573)
葉柳 和則 長崎大学, 多文化社会学部, 教授 (70332856)
山本 哲也 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(社会総合科学域), 准教授 (60779396)
中川 拓哉 名古屋大学, 人文学研究科, 博士研究員 (10829906)
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研究期間 (年度) |
2019-07-17 – 2023-03-31
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キーワード | ファシズム / テキストマイニング / 大統領演説の検証 / 文芸誌の検閲 / 芸術運動 / 国策映画 |
研究成果の概要 |
ファシズム思想が精神主義的な傾向を帯び、それゆえ文化運動と共に展開したことに鑑み、本研究はスイス、イタリア、フランス、日本における20世紀初頭の文化運動に着目し、オラリティを介して集合的記憶の形成される過程を辿った。そのために独伊仏日語のオラリティ資料をテキストマイニング手法により比較解析し、人間の社会に情動が広範なムーヴメントを創り出すメカニズムを考察した。そのために文字資料のみならず、ファシズム期の演説や式典、公共芸術や文化遺産保護をめぐる言説、文芸誌の検閲や国策映画の制作過程など、各言語の文字テキストや公共空間における造形芸術を対象として、超言語圏的に同時代の言説の動きを追跡した。
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自由記述の分野 |
思想史・ドイツ文学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、言語を異にする文化圏を超域的に横断し、それぞれの地域・文化内部でどのようにファシズム思想が醸成され展開していったかを、各言語圏の文字テキストやオラリティ資料を分析し統合的に検討した。これまで、研究者自身がフィールドとする文化圏や言語圏が制約となることが多かったが、こうした超域的な議論の場を共有し、考察したことは非常に重要な意義をもつ。これまでの成果を踏まえ、ファシズム研究をアナキズム思想という視座から論じることが有効であると考え、アナキズム研究者らと共に「21世紀の映画と社会」と題したワークショップを企画・実現した。この成果発信は「オラリティと社会」という観点からも極めて有効だった。
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