研究課題/領域番号 |
19KT0005
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
川端 二功 弘前大学, 農学生命科学部, 准教授 (40633342)
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研究期間 (年度) |
2019-07-17 – 2022-03-31
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キーワード | ニワトリ / 味覚 / 苦味 |
研究実績の概要 |
畜産業が環境負荷に与えている影響は大きい。本研究では、家畜用飼料の多くを消費している家禽に着目し、家畜用飼料の多様性を取り戻すための基礎研究を目指している。嗜好性の悪さから飼料源として活用されていない地域資源を掘り起こし、ニワトリの味覚を制御することでこれまで使われてこなかった資源を飼料化する道筋を作ることを目的としている。栄養価は高いが苦味をもつ原料は、嗜好性の悪さから飼料として高配合できない問題があった。本研究では、ニワトリの苦味感知機構の抑制技術の精度を高め、苦味を持つ農副産物を新たに飼料化することで環境負荷の少ない次世代の農業の確立に貢献する。 今年度はニワトリ飼料中に含まれていると予想される複数の苦味物質をニワトリが実際に忌避するかどうか飲水試験で検証したところ、それらの物質は水よりも有意に忌避されることがわかった。したがって、これらの苦味物質を低減させることが忌避性の低い飼料の作出に繋がると推察された。一方で苦味受容体アンタゴニストを混ぜても摂取量が変化しなかったことから、苦味以外の渋み等も忌避に関与している可能性が考えられた。 また、ニワトリの苦味受容体がどのようなタイプの味細胞に発現しているのか詳細は不明であった。ニワトリ味細胞のマーカーとしてvimentinやα-gustducinが知られている。今年度はこれらのマーカーと苦味受容体が味細胞で共発現しているか検証し、苦味受容体発現細胞の味細胞タイプを明らかにすることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナの影響で研究室への立入りが制限され、実験が思うようにできない期間があった。そのため実験の進行がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は飲水試験によりニワトリが忌避する物質が複数特定できた。これらの物質がニワトリ苦味受容体(T2R1及びT2R7)を活性化するかどうか、カルシウムイメージングにより今後検証していく。また、ニワトリ苦味受容体の新たなアンタゴニストの探索も引続き行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は想定よりも実施した実験量がやや少なかったために消耗品費の支出が伸びなかったことが理由としてあげられる。次年度は実験量を当初予定より増やすことで消耗品費を計画的に使用していきたい。
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