研究課題/領域番号 |
19KT0022
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研究機関 | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
研究代表者 |
涌井 智子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (70725845)
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研究分担者 |
渡辺 健太郎 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (10635808)
池内 朋子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (40773809)
三輪 洋靖 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (30367073)
伊藤 沙紀子 大阪大学, 医学系研究科, 特任講師(常勤) (80734152)
木下 衆 慶應義塾大学, 文学部(三田), 助教 (00805533)
甲斐 一郎 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 名誉教授 (30126023)
石崎 達郎 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究部長 (30246045)
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研究期間 (年度) |
2019-07-17 – 2023-03-31
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キーワード | テクノロジー / 介護 / トラスト / 家族介護者 / 介護職 |
研究実績の概要 |
本研究が対象とする課題は、介護現場にテクノロジーをいかに導入するかということに加えて、テクノロジーの導入によって介護の効率、介護に対する考え方、介護を支える社会保障制度に対する信頼がいかに変わるかを、介護にかかわる介護職、家族介護者、高齢者、これからの高齢者である中高年、そしてテクノロジーの開発者の視点から明らかにし、技術や介護情報、テクノロジーを導入することによって福祉そのものに対する人々の信頼をいかに維持・醸成するか?という問いに答えようとするものである。 本年度は、地域在住の中高年を対象に行った介護におけるテクノロジー導入に対する意識調査データを解析し、高齢期のADLやIADLに関連したテクノロジー導入へのアクセプタンスを評価するとともに、介護におけるテクノロジー導入希望に対する関連要因には性差があること、学歴や介護提供経験が関連すること、また各々のテクノロジーに対する考え方に差があることが明らかになっている。また、介護における機器や技術開発者へのインタビュー調査からは、開発者が技術開発のためだけではなく、導入や機器使用継続に向けて介護現場との関係性の強化などを含めた様々な取り組みを行っている実態が明らかになった。 2025年問題を目前に、介護保険制度の継続においては経済的・資源的に極めて緊迫した課題を抱えており、高齢者本人の自律と尊厳のためにも、介護とテクノロジー融合が介護システムの持続性の中に位置づけられることが期待される。介護施設における導入だけでなく、地域在住の一人暮らし等高齢者におけるテクノロジー導入の可能性について、今後の調査・解析によって検討をしていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は介護職への質問紙調査を予定していたが、Covid-19感染症の蔓延によって、調査対象となる家族介護者および介護職者への過負担に配慮し、調査の実施を遅らせたこと、調査対象者への回答の影響を評価するための既存の調査・検討に時間を費やしたため、一部の研究計画において本来の予定よりやや遅れて研究が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度実施した家族介護者へのプレテスト解析を基に、家族介護者を対象にした本調査を実施するとともに、および介護職らを対象にした研究調査を実施し、介護現場にいる人々の、テクノロジー導入における障害・促進要因を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度実施を予定していた調査が、COVID-19感染症の蔓延による研究の遅れにより次年度実施となったため、次年度使用額が生じている。この調査を次年度実施することで、予定通り使用予定である。
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