| 研究課題/領域番号 |
19KT0024
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| 研究機関 | 東京大学 |
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研究代表者 |
清水 大地 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 特任助教 (00724486)
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| 研究分担者 |
岡田 猛 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (70281061)
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| 研究期間 (年度) |
2019-07-17 – 2022-03-31
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| キーワード | 演者間協調 / 同期 / 上演芸術 / ダンス / 非線形時系列解析 |
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| 研究実績の概要 |
本研究では、義務教育において必修化されたダンス表現を対象とし、複数名の演者間に生じる協調の様相と、以上の協調により生じる演者間の関係性の変化を検討する。その際、当初は、要因設定・測定が比較的容易である実験室でまず検証を行い、提案された知見・測定手法を用いて演者が表現を行うフィールドを対象とした検証を行うことを予定していた。一方で、COVID-19の感染拡大による社会状況の変化により、本年度ではフィールドを対象とした検証の実施に困難さが生じた。そこで当初の予定を部分的に変更し、以下の取り組みを実施した。まず、昨年度に実施した実験研究の1つ（熟達者のバトル場面におけるリズム運動の協調関係）に関する論文を執筆・発行した（Shimizu & Okada, 2021, Frontiers in Psychology）。また、もう1つの実験研究であるバトル場面における空間内の移動に関する協調関係についても現在論文執筆を進めており、年度内での投稿を予定している。さらには、上記の論文の執筆・発行過程において、演者間の協調関係をより豊かに捉えるには、例えば短期的な振る舞い（部分的なリズム運動）・長期的な振る舞い（全体的なリズム傾向・構造）といった階層的な観点から、その協調関係を検討する必要性が示唆された。そのため、以上の複数階層に渡る協調関係を解析する発展的な手法の探索・検討と実際の解析の実施を現在進めている状況である。一方で、COVID-19の感染が継続している現状では、今年度に加え次年度においてもフィールドを対象とした検証を行うことが困難であると予想される。そのため、上記の実験データに関する複数の追加検証に加え、可能であれば入念な感染予防を行った上での実験を行い、当初予定していた演者間の協調の様相や差異に基づく社会的な関係性の変化を検証する予定である。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上記の研究実績の概要に記載した通り、当初予定していた実験については既に実施が完了している。また以上の実験からは当初予定していたよりも興味深い演者間協調の様相を抽出することが出来ており、それらに関する発展的な解析や結果の論文投稿も進めている状況である。一方で、当初予定していたフィールドにおける検証については、COVID-19の感染拡大により、今年度実施することが困難となった。次年度については、上記の発展的な解析・検討を進めるとともに、徹底した感染予防を行った上での実験を可能な範囲で実施し、フィールドで検証予定であった内容と同様の内容を実験において検証することを予定している。以上により当初の研究予定の実施と発展的な検討の実施を行う予定である。
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| 今後の研究の推進方策 |
現在までの進捗状況に記した通り、まずは当初予定していた空間内の移動に着目した論文の執筆・投稿を行う予定である。次に、上記の複数階層に渡る演者間の協調について抽出するための解析方法の探索と実際の解析の実施を行うことを予定している。以上に加え、可能であれば入念な感染予防を行った上で、演者間協調の様相や差異による社会的な関係性の変化を実験場面において検証する。これまでに得られた演者間協調の様相に関する解析・知見を踏まえ、その様相を定量化すると共に、測定された社会的な関係性の変化を定量化し、それらの指標の対応関係を定量的に検証することで、その影響を仔細に検討することを予定している。以上の計画等を可能であれば加えることで、当初予定していた研究のさらなる推進に努める予定である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
今後の研究の推進方策等に記した通り、次年度は、より発展的で精緻な処理を必要とする解析を行うことを予定している。また、今年度十分に実施することが困難であった協調関係による社会的な関係性の変化について、感染予防を行った上での複数名の熟達者を対象とした実験を行っていくことを予定している。これらの測定においては、モーションキャプチャーカメラ等の機器の追加や、発展した解析を行うための専用のPCとソフトウェア等の追加、感染予防のための諸物品が必要となる。また上記の実験を行う際の熟達者への謝金も必要となる。以上の事情により次年度で新たに購入するものや参加者謝金が必要となったため、次年度使用額が生じた。
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