研究課題/領域番号 |
19KT0034
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
舘野 隆之輔 京都大学, フィールド科学教育研究センター, 教授 (60390712)
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研究分担者 |
小林 和也 京都大学, フィールド科学教育研究センター, 准教授 (00648280)
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研究期間 (年度) |
2019-07-17 – 2022-03-31
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キーワード | 同種間相互作用 / 他種間相互作用 / 混植 / 情報統合 / ネットワーク構造 / 微生物機能群 |
研究実績の概要 |
本申請課題では、一斉造林地を天然林化する際に、多様性を維持しつつ、多様性の持つポジティブな側面を最大限に発揮できる新しい施業体系の構築することを目的としている。本課題では、現存する発達した天然林における樹種の成長や動態を明らかにするとともに、生物群集の多様性と生態系機能との関係を明らかにし、また種子、実生、成木など様々な生育段階において、樹木の成長パラメータや植物と微生物間の相互作用、土壌養分や養分流出が、樹種の組み合わせでどのように変化するかを野外調査や室内実験、モデルなどを用いて明らかにすることを目指した。具体的には以下の課題について研究を進めた。 A.発達した天然林における生物間相互作用と生態系機能との関連性の評価 B.混植による植物―微生物の生物間相互作用と生態系機能の評価 C.多様性‐生態系機能の関係性モデルの構築と実用化 令和3年度は、課題Aに関連して、昨年度に引き続き、京都大学北海道研究林で長年継続している天然林の毎木調査データベースの整理を進め、個体ごとに隣接する樹種の組み合わせが個体の成長に与える影響についての解析を行った。課題AおよびBに関連して、北海道研究林の代表的な天然林で過去に行われた微生物群集と機能群組成の関係性に関する研究データの解析を進め、微生物同士の関係のコアとなる微生物を特定し、土壌における機能を推定して評価を行った。課題Cに関連して、人工滲出物を使い混植状態を模した室内培養実験を行い種の組み合わせによる土壌機能の評価を行った。目的とした新しい施業体系の構築までは達成できなかったが、本課題を通じて、いくつかの重要な知見を得ることが出来た。
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