近年遺伝子導入やゲノム編集技術が注目されており、養殖魚の品種改良にも用いられつつある。しかし魚卵初期胚へ遺伝子・分子導入は、マイクロインジェクション法と呼ばれる手作業による導入作業に頼っており、作業効率の低さと侵襲性の高さが問題となっている。本研究は、マイクロインジェクション法に換わる、汎用性が高く、大量処理可能で、高導入効率な遺伝子・分子導入法を実現するため、沿面放電を用いた遺伝子・分子導入法を提案している。学術的には沿面放電による電気的、化学的刺激が魚卵の細胞応答の新たなメカニズムを明らかにすることが期待される。また社会的には、養殖魚の育種技術の発展に寄与することが期待される。
|