研究課題
本研究ではまず,デジタル技術を活用したスマート農業の普及について、日本の特徴とさらなる普及に向けた政策的インプリケーションを明らかにした。そのために,日本の農業におけるスマート農業の実態について大規模農家を対象としたアンケート調査を実施した。また、製造業の経営技術論で用いられている評価手法を応用したSAKL(Smart Agricultural Kaizen Level)技術マップのアイディアを提案し,アンケート調査の結果とSAKL技術マップを用いて、日本におけるスマート農業技術の現在の展開パターンを分析した。その結果、データの可視化レベルを上げ、スマート農業技術を導入することで、日本の農業の生産効率を改善できることが分かった。 また、データの可視化レベルが低くても、スマート農業技術を導入することで、日本の農業効率が改善できる可能性が示された。日本の農業現場では、現在のスマート農業技術の導入率は50%未満だが,今後、スマート農業技術を効果的に普及させるためには、デフォルト運用である程度効率化できるスマート農業技術の標準化パッケージの開発が有望と考えられた。次に,全国のスマート農業の普及状況を網羅的に調べるために,全都道府県の農業農村振興計画や農林推進振興計画など、農業分野における最上位計画,および作成がある道府県についてのスマート農業計画の記載内容について調査した。その結果を重層的視座(マルチレベルパースペクティブ)の観点からサスティナビリティトランジションの理論に基づいて分析した。また,スマート農業の導入効果は,付加価値率の向上,生産物の平均価値の上昇,一人で耕作可能な農地面積拡大,面積当たり収穫量の増加という4つの要因に分解できると整理した。その結果,都市近郊の農業県を中心に,理論モデルに基づいて,農業のスマート化と同時に再エネ導入が進展していることが分かった。
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