研究課題/領域番号 |
19KT0042
|
研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター) |
研究代表者 |
染井 順一郎 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究員 (50838480)
|
研究分担者 |
坂根 直樹 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究室長 (40335443)
|
研究期間 (年度) |
2019-07-17 – 2022-03-31
|
キーワード | 幼児 / 食育 / 五感 / サペレメソッド / 食教材 / 体験学習 |
研究実績の概要 |
本研究の目的はSapereメソッドという欧州の小学校就学前児童(以下「幼児」という)に対して実施されている五感を使った食の体験学習の手法を用いたプログラム「味の教室」を開発し、それを日本の幼児に適用して、主体的な食選択ができる次世代を育成する効果を把握すると共に、教材となる食材の提供体制の確立を検討することである。 1年目には京都市内8つの保育園、幼稚園、こども園で味の教室を実践し、このうち年度内に6回のコースを修了した6園分の保護者や保育士等へのアンケート調査から子どもの食行動変化や園の食育活動の有効性についてのとりまとめ、子どもの苦手野菜数の減少など食への関心増大効果の他、園内の保育・食育活動への良好な波及効果を確認した。 この味の教室には北海道及び近郊の有機野菜生産農家より土付きで、自然の姿を想起させる野菜(規格外の分岐人参や股割れした人参)を提供いただき、近郊農家のみならず遠隔地からの食教材提供の可能性も確認した。 さらに8つの保育園及び児童館で実施した「お魚講習会」には、北海道の底引き漁師より水揚げ直後に冷凍した真鱈やスケソウダラ、混獲される雑魚を提供いただいたことで、真鱈の胃内未消化物の観察など、海の中の多様な生物とその食物連鎖などを体感するプログラムも提供できたと共に、産地ですぐに冷凍した水産物の活用は時化や漁獲の多寡に左右されない食教材の確保と、胃内未消化物の保存という観点から有効なことを確認した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1年目のパイロット研究には、100名の予定を上回る200名以上の園児の参画を得ることができた。また食材提供についても農家、漁師の協力を得て円滑に実施できた。
|
今後の研究の推進方策 |
腸内細菌叢の調査については、先行研究を調べているものの効果的な実施方法について検討課題が多い状況である。 COVIDの関係で、保育園に入り込んでの研究を当面自粛しなければならない中、動画や冊子などの教育媒体を準備して、これらを用いた手法についての検討を進めたい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
予定していた出張が2020年2月以降、延期や中止となったため。状況が改善次第、実施予定である。
|