研究課題/領域番号 |
19KT0042
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター) |
研究代表者 |
染井 順一郎 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究員 (50838480)
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研究分担者 |
坂根 直樹 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究室長 (40335443)
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研究期間 (年度) |
2019-07-17 – 2022-03-31
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キーワード | サペレメソッド / 幼児教育 / 食育 / 五感 / 生産地 |
研究実績の概要 |
保育園・幼稚園・児童館の未就学児に対して、本年度は約90回のsapereメソッドを使った五感体験を主体とする食育プログラムを実施することができた。 全体的にはCOVID-19による開催中止や延期などもあったが、園の関係者がsapereメソッドによる食育プログラムの有用性を理解し、コロナ禍の状況下でも発達の著しい幼児期だからこそ体験させてあげたいとの声をいただき、園外の我々が園への訪問を許され感染防止対策に配意しつつ実践できたこと自体が、この食育手法に対する期待の表れであった。約200名の保護者アンケートでは95%の保護者から継続要望があり、47人の保育士等へのアンケートでは96%の保育士等が他の保育士(保育園)にも勧めたいとする評価を得た。 子どもの変化等については、苦手野菜数については昨年度同様、有意に減少する効果が確認されている。子どもの食材への関心は高まり(保護者の80%,保育士等の91%)、園庭の植物など自然物の匂いをかぐ子どもが増えたことは約40%の保育士から報告された。その他、子どもの食の拒絶行動(えり好みや新奇恐怖)との関係、保護者や保育士等の取り組みとの関係は解析中である。 この実践過程で、教材となる食材の入手とその見せ方についても生産者との打ち合わせを通じて実践的な検討を行った。 五感を使った体験を重視するsapereメソッドによる食育の実践は、子どもごとの感じ方の違いや子どもの意外な感性に気付くきっかけとなっており、保育士等の98%が知らなかった子どもの一面を垣間見たとし、83%が子どもの表情や仕草をよく観察するようになったと回答。保護者の80%が子どもの感性に気が付く機会となったと回答し、気になる子の支援にも貢献する可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍においても、子どもの体験機会として当方の取り組みが重要であると認識する関係者の理解があり、園外部の我々が園児に介入する機会を得ているものの、食材生産地の特徴を伝えるためのプログラム開発など、移動の自粛がある中で全体的にはやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度とほぼ同じ回数の食育活動を行って、実践的にデータ収集を継続的に行う。 コロナ禍をふまえて例年どおりの実践の困難も予想されるため、リモートでの食育活動や教員の生産地研修などの新たな活動にも取り組んでいきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍での出張自粛、食育活動自粛による。 コロナ禍の状況に十分に配慮した活動の実践やオンライン利用による活動の可能性を模索する。
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