研究課題/領域番号 |
19KT0042
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター) |
研究代表者 |
染井 順一郎 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究員 (50838480)
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研究分担者 |
坂根 直樹 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 臨床研究企画運営部, 研究室長 (40335443)
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研究期間 (年度) |
2019-07-17 – 2023-03-31
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キーワード | サペレメソッド / 食育 / 五感 / 体験学習 / 生産地 / 好き嫌い / 幼児教育 / 保育の質 |
研究実績の概要 |
Sapereメソッドを使った感覚を重視した食の体験学習プログラムを保育園、幼稚園の2~5歳児クラスを対象に最終年度は91回、実践しました。プログラムの実施前後には保護者へのアンケート調査をこれまで同様に実施し、研究期間中の子どもの食行動や保護者の子どもとの関わり等について調査しました。保護者への質問票の解析では、このプログラム適用後に約8割の保護者が「子どもの感性に気が付くきっかけとなった」と回答し、この群では子どもの食行動や親の子どもとの関わりについて、有意な改善が見られました。「気が付くきっかけとならなかった」群では、これらの有意な改善が見られなかったことから、保護者の子どもの感性への気づきの重要性が示唆されました。本年度に報告したプログラム実施後の保育士等へのアンケートに基づく調査結果では、このプログラムに参加した保育士等が子どもの嗜好や感性に気づき、子どもの観察や子どもへの声掛けが変化し、それらの変化と子どもの食行動の変化が相関していることが明らかとなりました。これらの研究成果は研究開始時に想定した、子どもへの食育活動を通じて、子どものみならず保育士や保護者が変わり、そして産地が変わるといった流れを一部確認するものです。他方、コロナ禍もあって産地を含めた直接的で大規模な取り組みは見送りを余儀なくされました。しかしながら、これまでの研究で蓄積された知見を活かし、他の助成金も得て、産地の様子を動画で伝えつつ、手元に準備した食材で子どもと養育者が食材の五感体験活動を行うリモート&リアル型学習教材を作成することができました。研究期間中には保育園等における感覚を重視した食の体験学習プログラムの実践の手引きとなる書籍「五感が育つ子どもの食育 食の体験学習サペレメソッド」を刊行しました。
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