研究課題/領域番号 |
19KT0044
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
池亀 彩 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 准教授 (40590336)
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研究期間 (年度) |
2019-07-17 – 2023-03-31
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キーワード | ギグエコノミー / 新興国 / 人類学 / インド / デジタル労働 |
研究実績の概要 |
プロジェクトの3年目にあたる令和3年度は新型コロナの影響があったが、4月、5月はコロナ感染の制限の中、マレーシアのクアラルンプールを中心に配車サービス業で働くドライバーへのインタビューを行うことができた。また年度前半は文献調査を進めたほか、後半はマレーシアで現地研究者の協力を得ることができ、配車アプリを使って働くドライバーの労働組合の代表者などへのインタビューを依頼することができた。またマレーシアのサンウェイ大学との国際共同プロジェクトとして、アジアのギグワークに関する研究協力体制をさらに強固にすることができた。また令和4年度から始まる環インド洋地域研究プロジェクトとも共同して、環インド地域における新しい労働形態の変化がもたらす社会的影響というより大きな枠組みでの議論に位置付けることが出来た。
偶然ではあったが、マレーシアに新型コロナの入国制限がある中で滞在することができたことは幸運であった。それは滞在中にコロナでの行動制限下でのギグエコノミーの変化・発展を現地で体験できたからである。一方で感染対策のため、直接のインタビューを制限せざるを得なかたことは残念であった。収集したインタビューデータの整理に関しては、質的データの分析ソフトウェアを用いて、整理を進めている。
インドでの現地調査は新型コロナの影響で渡航が叶わなかったために、行うことができていない。インドでのギグエコノミーの状況に関しては、これまでの調査結果を単著『インド残酷物語 世界一たくましい民』(集英社新書)のなかでまとめることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
インドでの現地調査が新型コロナ感染による入国制限などのために行うことが出来ていない。その分をマレーシアの調査で補ってはいるが、マレーシアでの行動制限があったために十分な調査が出来たとはいえない。
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今後の研究の推進方策 |
今後は現地でのフィールドワークの可能性を探ると同時に、現地で研究者を雇用し現地語でのインタビューを代行してもらう方策を推進していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染拡大のためインドへの渡航ができず現地調査ができなかった。そのため助成金の多くを使用することができなかった。繰り越された助成金は令和4年度に旅費などで使用する計画である。
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