研究課題/領域番号 |
19KT0046
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研究機関 | 科学警察研究所 |
研究代表者 |
島田 貴仁 科学警察研究所, 犯罪行動科学部, 室長 (20356215)
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研究分担者 |
三浦 麻子 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 教授 (30273569)
星 周一郎 東京都立大学, 法学政治学研究科, 教授 (10295462)
児玉 聡 京都大学, 文学研究科, 教授 (80372366)
川島 宏一 筑波大学, システム情報系, 教授 (00756257)
雨宮 護 筑波大学, システム情報系, 准教授 (60601383)
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研究期間 (年度) |
2019-07-17 – 2023-03-31
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キーワード | 情報発信 / ソーシャルメディア / オープンデータ / 警察に対する信頼 / エビデンスに基づく政策形成 / EBPM / コミュニティ・ポリーシング / 信頼 |
研究実績の概要 |
最終年度である本年度は,2019年度に実施した緊急時の情報発信に関する社会調査,2021年度に実施した警察の信頼に関する社会調査の結果をそれぞれ分析した。 緊急時の情報発信に関する社会調査は,インターネットモニター会社に登録した大阪府下に住む20-69歳の男女10000名に,2019年6月に同府吹田市で発生した交番襲撃事件後の情報行動を尋ねるものであった。情報入手媒体はテレビ・ラジオが最も多数を占め,事件現場の近くに住む回答者ほどより早い時間に第1報に接していた。約2割の回答者がデマ情報に接触していたものツイッター利用者は非フォローの個人,非利用者は,ニュースサイトによって正しい訂正情報を入手していた。 警察の信頼に関する社会調査は,日本を含む5か国在住の20-69歳の男女約3000名(日本国内1000名)に対して,警察への信頼とその関連要因を尋ねたものであった。パス解析および重回帰分析によって,警察の各種施策の認知が,警察の能力認知,手続き的公正認知,主要価値類似性認知を媒介して,警察に対する信頼および協力行動意図につながっていることが示された。また,コミュニティ・ポリーシングの一環で開催された防犯教室や護身術教室で警察官に接触した回答者は,そうでない回答者に比べて警察に対する信頼が高いこと,職務質問や交通検問などで警察からの接触経験を持つ回答者は,そうでない回答者に比べて警察に対する信頼が低いことも示された。 これらに加えて,研究期間を通じて,各都道府県の犯罪情報の発信に関する調査,犯罪発生マップにおける地図表現が閲覧者の認知に与える影響の分析,犯罪オープンデータを用いた犯罪予防行動に関する実証分析を行い,研究結果を行動科学,倫理学,政策科学の立場からそれぞれ議論して政策含意を得て,オープンデータ施策や防犯情報発信に対する提言も行っている。
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