研究分担者 |
三宅 和正 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (90109265)
木村 剛 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (80323525)
大貫 惇睦 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40118659)
木須 孝幸 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 准教授 (20391930)
伊豫 彰 産業技術総合研究所, 電子光技術研究部門, 主任研究員 (50356523)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
発見以来25年経過してもなお混沌としていた高温超伝導現象の起源は「反強磁性秩序を生み出すものと同一のもの」,つまり反強磁性秩序を生み出す超交換相互作用に起因することを明らかにしたこと、Fe系新高温超伝導体は等方的なギャップを有するマルチギャップ符号反転S_±波モデルを用いてよく説明できることを示したこと、重い電子系における価数ゆらぎが拓く新しい物理現象を理論的に解明したことなど、多元環境下での新しい量子物質相の発見や現象を解明する成果を挙げることができ,研究は予想以上に進捗している.
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今後の研究の推進方策 |
本研究で初めて、発見した反強磁性と高温超伝導の共存状態での両秩序相の相互結合状態に焦点を当て,電子構造,および構造物性等の多彩な観点から研究を深化させることを目的として,レーザー超高分解能光電子分光グループ,およびSPring-8の高輝度放射光を用いたX線回折実験グループを加えて,以下のような研究を推進する.(1)高温超伝導体の超低ドープ領域での反強磁性相と超伝導相図の確立,(2)超伝導状態での磁場誘起磁気秩序相の探索,(3)重い電子系の電荷ゆらぎに起因する超伝導現象の温度-圧力相図の確立,(4)新規な磁気秩序と強誘電相とが共存する新物質相の探索,(5)マルチフェロイックスにおける電気磁気相関効果の探索,(6)遷移金属化合物表面・界面における電界印加による電気磁気物性制御による新物質相の探索,(7)超多層系銅酸化物高温超伝導物質および多層系銅酸化物単結晶の創製,(8)新型Fe系高温超伝導体の創製などの研究を推進する.
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