研究課題
(1)相対角25°を有するグラフェンの鋭端でのラマン散乱の実験を行った。アームチェア端と特定される端から反対側の端までスキャンし、ラマンGバンドの強度、シフトを観測した結果、強度は場所依存性を持たないにもかかわらず、大きなシフトが観測された。このことは、アームチェア端と25°をなす反対側の端が大きなアームチェア端成分をもつこととともに、大気中に存在する酸素の吸着による電荷移動が2つの端で大きく異なることを示唆している。(2)酸化グラフェンを非接触AFMにより調べ、約9nmの間隔で配列した1次元皺の周期構造を見出した。これは、ジグザグ方向に、エポキシリング配列することによって出来る酸化構造であり、1次元酸化グラフェンを挟んで、ジグザグナノグラフェンリボンが形成されたことと理解される。また、AFM針により、意図的にカットすることにより、グラフェンナノ構造の作成に成功した。(3)グラフェンのアームチェア端近傍にhexagonalな超格子構造とその3回対称の微細構造を見出した。理論解祈により、これは、アームチェア端における電子波のK-K'谷閥散乱による干渉効果であることが明らかとなった。(4)端構造が修飾されたナノグラフェンの電子状態を、強結合模型および第一原理計算によって解析することで、AB副格子間に強い非対称を導入することで磁性発現が可能であることを理論的に提案した。また、グラフェンナノリボンのラマン分光特性を、連続体模型によって解析し、グラフェンの端形状に依存した偏向依存性を明らかにした。(5)イオン液体中でグラファイト電極との界面にイオン液体のイオンペアの大きさに相当する層からなるステップ構造が生じることを電気化学FM-AFM観察により見いだした。平坦で電荷をもたないグラファイト電極上でも局所的に厚みの異なる層構造が液体中でも安定に存在することを示した。
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