研究分担者 |
植村 知博 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (90415092)
佐藤 健 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (00303602)
平田 龍吾 独立行政法人理化学研究所, 中野生体膜研究室, 先任研究員 (60260197)
齊藤 知恵子 独立行政法人理化学研究所, 中野生体膜研究室, 専任研究員 (10321762)
黒川 量雄 独立行政法人理化学研究所, 中野生体膜研究室, 専任研究員 (40333504)
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研究概要 |
1.膜交通の選別分子機構 (1)ゴルジ体槽成熟:酵母槽マーカーと積荷マーカーを同時観察し,成熟の完全証明を目指した。 (2)COPII小胞からのゴルジ槽形成:小胞体出口に対してゴルジ体シス槽が行う"kiss and run"モーションについて,その意義とメカニズムを検証した。 (3)ポストゴルジネットワーク:トランスゴルジ網への遷移の過程をさまざまなマーカーを用いて観察した。 (4)共焦点顕微鏡の改良開発:超高感度高速のシステムで,4色同時観察に必要なシステムを完成した。 (5)FRETイメージング:酵母Sec4 GTPaseの活性を可視化する1分子FRBTプローブを用い,細胞周期における挙動を解析した。 2.生化学的再構成と1分子観察 (1)EF-hand型Ca結合タンパク質Peflpが,小胞形成を負に制御するメカニズムをさらに詳細に解析した。 (2)小胞体出口部位の形成に関与するSecl6pが,SarlpのGTPase活性を制御するメカニズムをさらに詳細に解析した。 3.高等植物における膜交通の役割 (1)植物エンドサイトーシス:真核生物保存型と植物特異的Rab5が,活性化因子VPS9aとエフェクター分子を介して,相互に機能制御を行っているメカニズムをさらに詳細に解析した。 (2)植物のポストゴルジ膜交通:トランスゴルジ網のSNAREが,植物のさまざまなストレス応答に関与していることを示した。 (3)液胞形成と分化:液胞膜分化に異常をもつと見られる新しい突然変異体を得,その原因遺伝子を明らかにした。 (4)細胞極性形成と維持:シロイヌナズナのミオシンについて,高速型キメラミオシンの作製し,その効果を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
最終年度に目指していた超高解像共焦点顕微鏡の多色化を完成することができた。これにより,懸案であった積荷タンパク質と区画マーカーとの同時観察が可能になり,ゴルジ体槽成熟の完全証明が視程に入った。また,植物における膜交通の制御因子について,次々に新たな知見を得ている。
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