研究課題
本研究では,我々により推進してきた同位体顕微鏡による隕石の解剖学をさらに発展させ,隕石のいわゆる『解体新書』を作成する。その成果に基づき,太陽系創世時代とそれに直接つながる先太陽系時代の物質進化を解明し,宇宙における太陽系の特殊性と一般性を区分した新しい太陽系起源論を構築する。そして物質に刻まれた証拠に立脚した汎惑星系起源の構築に挑戦する。具体的には「始原隕石中にのこる先太陽系時代の物質の系統的な研究」,「太陽系における酸素同位体異常とその他元素の同位体的均質性の起源と進化の解明」,「太陽系創世時代の物質進化」の課題に取り組み目的を達成する。本年度は以下の研究成果が得られた。1.種々の始原的隕石を探索することにより見つけたプレソーラー粒子を総合的に解析することにより,太陽系を作った原材料物質の起源を考察した。2.隕石中の流体包有物中の水溶液の水素同位体比,酸素同位体比の測定により,太陽系天体の水の起源を考察した。3.太陽系最古の年代をもつ始原隕石中のCaとAlに富む物質(CAI)の酸素同位体変動とその変動タイムスケールの相関を解析することにより太陽系創世時代の原始惑星系円盤進化のダイナミクスを考察した。4.酸素同位体交換反応の基礎メカニズムとプレソーラー粒子の形成条件を宇宙の高温環境を模擬した高温実験によりシミュレートした。5.同位体イメージングのための新しい検出素子を設計・製作まで行った。6.同位体ナノスコープによる希ガス分析法を開発し,太陽風の検出ができる検出レベルに世界で初めて到達した。7.以上の結果を総合し隕石のマトリックス部の解析を進め,太陽系起源の解析を進めた。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2013 2012 その他
すべて 雑誌論文 (19件) (うち査読あり 18件) 学会発表 (14件) (うち招待講演 14件) 備考 (1件)
Geochimica et Cosmochimica Acta
巻: 102 ページ: 261-279
10.1013/j.gca.2012.10.039
Journal of The American Society for Mass Spectrometry
巻: 24 ページ: 222-229
10.1007/s13361-012-0528-2
Lithos
巻: 164-167 ページ: 23-25
10.1016/j.lithos.2012.11.024
遊星人
巻: 22 ページ: 4-13
Journal of Geophysical Research:Planets
巻: 117 ページ: E04007
doi:10.1029/2011JE004031
Meteoritics &Planetary Science
巻: 47 ページ: 2013-2030
doi:10.1111/maps.12041
放射光
巻: 25 ページ: 321-327
巻: 21 ページ: 160-167
Surface and Interface Analysis
巻: 44 ページ: 635-640
10.1002/sia.4857
巻: 44 ページ: 678-681
10.1002/sia.3871
Japanese Journal of Applied Physics
巻: 51 ページ: 076701-1~4
10.1143/JJAP.51.076701
Earth and Planetary Science Letters
巻: 345-348 ページ: 95-103
10.1016/j.epsl.2012.06.044
AIP Conference Proceedings
巻: 1484 ページ: 139-141
10.1063/1.4763386
Meteoritics & Planetary science
巻: 47 ページ: 2070-2083
10.1111/maps.12032
巻: 47 ページ: 2084-2093
10.111/maps.12033
巻: 47 ページ: 2094-2106
10.111/maps.12034
Astrophys. Jounrnal
巻: 750 ページ: 149-164
10.1088/0004-637X/750/2/149
The Journal of Structural Biology
巻: 180(3) ページ: 389-93
10.1016/j.jsb.2012.09.009
顕微鏡
巻: 47 ページ: 92-97
http://vigarano.ep.sci.hokudai.ac.jp/