研究概要 |
太陽系形成以前に宇宙空間に存在していた物質が隕石中に現存している事が特定されたことにより,我々の自然史を太陽系創世時代を越え先太陽系時代に至るまで実証できる可能性が大きくなっている.本研究では,我々により推進してきた同位体顕微鏡による隕石の微細解剖学をさらに発展させ,隕石のいわゆる『解体新書』を作成する。その成果に基づき,太陽系創世時代とそれに直接つながる先太陽系時代の物質進化を解明し,宇宙における太陽系の特殊性と一般性を区分した新しい太陽系起源論を構築する。そして物質に刻まれた証拠に立脚した汎惑星系起源の構築に挑戦する。具体的には,以下の課題を研究する. (1)隕石中の先太陽系時代の物質を系統的に探索し,その物質の同位体組成と形成年代を分析し,銀河内の物質循環を解析する. (2)太陽系における酸素同位体異常とその他元素の同位体的均質性の起源と進化の解明を行い,分子雲時代から太陽系創成時代に至る物質進化のダイナミックスを解析する. (3)太陽系創世時代における物質大循環に伴う物質進化とそのメカニズムを解析する.
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