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2008 年度 実績報告書

制御性T細胞機能の分子的基礎に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20002007
研究機関京都大学

研究代表者

坂口 志文  京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (30280770)

研究分担者 山口 智之  京都大学, 再生医科学研究所, 助教 (80402791)
キーワードFOXP3 / 制御性T細胞 / 自己免疫病 / Tリンパ球
研究概要

制御性T細胞(Regulatory T cell、以下Tregと略)の発生・機能のマスター転写因子Foxp3の機能を、それに結合する分子の同定・解析、およびFoxp3の制御する下流遺伝子とその産物の機能について解析を進めた。まず、Foxp3が転写因子Runx1と結合するとの結果に基づきTerg特異的にRunx1、Runx3、あるいはこれらのco-factorであるCBF-・を欠損するマウスを作製したところ、Runx1あるいはCBF-b欠損マウスは自己免疫病、高IgE血症を自然発症し、in vivo, in vitroにおけるTreg抑制機能が低下していた。この結果は、Foxp3/Runx 1転写複合体がTregの抑制機能の発現に重要であることを意味する。一方、Foxp3が制御する下流分子としてCTLA-4に注目し、Treg特異的CTLA-4欠損マウスを作製したところ、このマウスは致死的自己免疫病(心筋炎など)、高IgE血症を自然発症し、また自家腫瘍に対して強力な免疫応答を示した。CTLA-4欠損は、Tregの発生、生存、活性化には影響しないが、in vitro, in vivoでの抑制活性が顕著に低下させた。さらに、Tregに発現するCTLA-4は、樹状細胞上の副刺激分子CD80, CD86と結合し、その発現を低下させることによって、他のT細胞の活性化を妨げるとの結果を得た。これはTregによる免疫抑制の重要な分子機構と考える。さらに、本年度はTregの自己免疫、腫瘍免疫、移植免疫における役割に関して解析を進めた。ヒトTregについては、末梢血中のFoxp3発現T細胞は機能的に均一ではなく、CD45RA、CD25の発現程度によって3つの亜群に分けうることを示し、この分類がTregの機能解析、特に諸種免疫疾患におけるTregの動態解析に有用であることを示した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] CTLA-4 control over Foxp3^+regulatory T cell funtion2008

    • 著者名/発表者名
      Wing, K., Onishi, Y., Prieto-Martin, P., Yamaguchi, T., Miyara, M.
    • 雑誌名

      Science 322

      ページ: 271-275

  • [雑誌論文] Regulatory T cell and immune tolerance2008

    • 著者名/発表者名
      Sakaguchi, S., Yamaguchi, T., and Ono, M
    • 雑誌名

      Cell 133

      ページ: 775-787

  • [雑誌論文] Foxp^<3+> natural regulatory T cells preferentially form aggregates on dendritic cells in vitro and actively inhibit their maturation2008

    • 著者名/発表者名
      Onishi, Y., Fehervari, Z., Yamaguchi, T., and Sakaguchi. S.
    • 雑誌名

      Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 29

      ページ: 10113-10118

  • [学会発表] Roleof regulatory Tcell intorelace and autoimmunity2008

    • 著者名/発表者名
      Shimon Sakaguchi
    • 学会等名
      EurAPS International Symposium on Molecular Background of tolerance and Autoimmunity
    • 発表場所
      Helsinki, Finland
    • 年月日
      2008-04-10
  • [産業財産権] 4型葉酸受容体も発現を指標とした制御性T細胞の検出方法、及び免疫賦活剤2008

    • 発明者名
      坂口志文
    • 権利者名
      坂口志文
    • 産業財産権番号
      12/339, 129
    • 出願年月日
      2008-12-19

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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