研究課題
特別推進研究
自然免疫は、感染病原体の初期認識、炎症の惹起や、その後の獲得免疫機構の活性化に重要な役割を果たしている。免疫系の包括的な理解に加え、様々な免疫疾患の病因・病態解明のためにも、自然免疫系の分子機構の全容解明は必要不可欠である。また、感染症、癌、自己免疫疾患を含む種々の疾患に対する免疫療法の導入にも、自然免疫系の機構解明が期待されている。本研究では、これまで申請者らが明らかにしてきたToll-like receptor(TLR)ファミリーや細胞質内に存在するRetinoic acid-inducible gene-I(RIG-I)/MDA5といった病原体認識に関わるパターン認識受容体(PRR)群の自然免疫における役割の解明を足がかりに、自然免疫系の分子機構を包括的に理解することを目標とする。また、近年TLR非依存性にウイルスや細菌由来の二本鎖DNAを認識する機構が存在することを明らかとしてきたがその本体は現在まで十分分かっていない。そこで、DNA受容体の同定を試み、その生理機能を解析する。さらに、自然免疫系の細胞に発現し、その活性制御に関わることが予想される細胞表面分子群、細胞内シグナル伝達分子群や、細菌、ウイルス感染によって活性化される蛋白質、核酸分解の制御遺伝子の生理機能を、遺伝子改変マウスの作製解析により明らかにする。さらに遺伝子改変マウスにおける遺伝子、蛋白質の発現変化を網羅的に野生型マウスと比較解析するとともに、その分子に会合する新たな分子の同定も行う。さらに、これらの解析で新たに同定された分子の生理機能を、遺伝子改変マウスの作製解析により明らかにしていく。
すべて 2010 2009 2008 その他
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (9件) 備考 (1件)
Immunity 35(5)
ページ: 765-776
Nat Immunol. 11(10)
ページ: 936-944
Nat Immunol. 11(5)
ページ: 373-384
Cell 140(6)
ページ: 805-820
Nat Immunol 10(9)
ページ: 965-972
Nature 458(7242)
ページ: 1185-1190
Nature 456(7219)
ページ: 264-268
http://hostdefense.ifrec.osaka-u.ac.jp/ja/index.html
