研究課題
特別推進研究
動物体を維持するためには細胞間の接着を安定に維持することが必須である。一方、形態形成運動など、細胞集団の再編成のためには、細胞間接着が動的に制御されなくてはならない。本研究は、とくに細胞骨格の役割に焦点を当て、細胞間接着の制御機構を明らかにすることを目的としている。細胞間をつなぎ止める主要なレセプターはカドヘリンで、スーパーファミリーを成している。そのうち、クラシックカドヘリンについては接着分子としての役割が確立しているが、その他のメンバーについては機能未解明のものが多い。しかし、これらの分子も細胞間相互作用に関わることは間違いなく、その多くが細胞骨格と相互作用している。クラシックカドヘリンの場合には、細胞質ドメインに結合するカテニンを介してアクチンと相互作用する。上皮細胞では、カドヘリン-カテニン複合体が、細胞頂端部付近に位置する接着帯で環状アクチン繊維と結合し、その収縮が細胞の再配列や、上皮細胞層の折れ曲がりなど、種々の形態形成過程に関与している。本研究では、クラシックカドヘリン、および、スーパーファミリーメンバーの一部について、細胞骨格系との連携のしくみを研究し、その連携が、どのようにして種々の細胞行動を制御しているのか明らかにする。また、そのシステムが破綻したときに起きる問題、とくに、がん細胞の浸潤・転移の引き金となる細胞間の接着異常の原因解明を目指す。
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