ヒトのメラノーマに類似する新規マウスメラノーマモデルを作製し、"がん幹細胞"として機能する細胞の局在、そのニッチとなる微小環境、および分子署名を明らかにすることを目的に研究を開始した。実際のヒト皮膚の特徴を模倣し、メラノーマを自然発症するマウスを作製するために、ヒト皮膚と同様に表皮内でSCF(Kit ligand)を発現し、ヒトの皮膚と同様に表皮内で色素細胞が生存する肌色皮膚をもつマウス(e/e ; K14-SCFトランスジェニックマウス)にがん遺伝子変異およびがん抑制遺伝子の欠損変異を導入し、マウス皮膚からヒトのメラノーマに酷似するメラノーマを自然発症するモデルマウスを作出すべく実験計画を進めた。ヒト型の皮膚をもつマウス(e/e : K14-SCF tg)に変異型Rasを色素細胞特異的に発現するtransgeneを導入することで、ヒトのmelanoma in situに似る組織像を得た。既にP53欠損導入にて生後2-3ヶ月頃より急速に増大するメラノーマの発生を確認した。
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