研究課題/領域番号 |
20012019
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
鎌田 徹 信州大学, 医学部, 教授 (40056304)
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研究分担者 |
安達 喜文 信州大学, 医学部, 准教授 (50201893)
古田 秀一 信州大学, 医学部, 助教 (80126705)
加藤 真良 信州大学, 医学部, 助教 (70402104)
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キーワード | Nox / Ras / 癌 / 活性酸素 / VEGF / MMP-9 / GATA-6 / セネセンス |
研究概要 |
本研究の目的は、ヒト発癌における活性酸素(ROS)産生遺伝子Noxファミリーの機能的役割を解明し、癌診断・予防・治療の開発に資することにある。我々は、Ras発癌モデルを用い、Nox1の産生するROSが情報伝達分子として増殖、及びVEGFの産生やMMP-9の誘導と細胞遊走能(Oncogene, 2009)を高めて、Ras癌組織の浸潤と転移に寄与することを解明してきた。ヒト癌との関連では、Nox1が大腸癌、Nox4が膵癌のcell survival活性の維持、メラノーマの細胞周期(G_2/Mチェックポイント)の調節(Cancer Res,2009)に関与することを明らかにした。従って、Noxファミリーは癌化過程の重要な律速因子と考えられる。本研究では、1)GATA-6によるNox1の転写機構、2)TLR5-Nox1によるcell survivalの誘導機構、3)T-cell白血病におけるNox5の機能的役割の研究、4)セネセンスにおけるNox1の意義について研究の進展があった。項目1:Ras-ERKによりGATA-6がリン酸化されると、Nox1プロモーターへのDNA結合能が増し、Nox1の転写が誘導されることが判った。項目2:TLR5・NFkBシグナルにより、Nox1発現がde nuvoに誘導されることを見出した。項目3:Nox5が白血病T-cellの増殖とcell swvivalを媒介することを発見した。項目4:Oncogenic Rasによって誘導される。セネセンスをNox1が媒介することが示唆された。本科学研究費の支援によって、活性酸素を介した発癌過程の分子機構がさらに解明されたものと考える。
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