研究課題/領域番号 |
20012043
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
森下 和広 宮崎大学, 医学部, 教授 (80260321)
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研究分担者 |
山川 哲生 宮崎大学, 医学部, 助教 (60335825)
中畑 新吾 宮崎大学, 医学部, 助教 (80437938)
西片 一朗 宮崎大学, 医学部, 助教 (50253844)
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キーワード | がん幹細胞 / 転写因子 / 接着因子 / Integrin / アセチル化修飾 / EVIl |
研究概要 |
1. 細胞接着に関わるEVII遺伝子群の機能解析 EVI1遺伝子発現と細胞接着との関連性を検討した所、EVI1高発現白血病細胞は、マトリゲルへの接着性が亢進し、その因子として、Integrin alpha6、beta4を同定した。此の2因子をそれぞれsiRNAで発現抑制することにより接着性の低下が、特にalpha6抑制は増殖抑制をもたらした。また、両者の中和抗体を用いた検索によりいずれも接着能が低下し、細胞表面で働いく事がわかった。遺伝子発現の検討により、患者EVI1高発現白血病においても特異的に発現亢進が見られたため、両者のプロモーター解析により、いずれもEVI1により直接もしくは間接的に転写を抑制していることがわかった。さらに詳しい検討を行っている。両者のShRNA安定白血病発現株を作製し、NOG免疫抑制マウスに移植することにより、Nicheとの関連性、白血病細胞の維持機構を見当している。同時にEVI1高発現白血病細胞において細胞接着、増殖に関わる因子として、GRP56を同定した。此の因子のsiRNAによる発現低下は細胞のapoptosisを引き起こすことがわかった。さらに情報伝達経路の検討、抗体刺激に寄る細胞の変動、 接着性、Integrinとの関連性があるためIntegrin alpha6、beta4との関連性を検討している。 2. 転写因子としてのEVI1の機能解析 EVI1遺伝子のGATA-2転写活性化の分子機構の解析から、PCAFとの結合、さらに転写活性化の促進、そしてEVI1たんぱく質のアセチル化が促進することを同定した。さらに転写活性化に関わる機能ドメインの検討からCtBP結合領域の重要性と、その中の564リジン残基のアセチル基が転写活性化に不可欠であることがわかった。さらにその領域に結合するたんぱく質結合、CtBPとの関連性について詳細に検討中である。
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