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2008 年度 実績報告書

融合型がん遺伝子による肺がん発症機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20012048
研究機関自治医科大学

研究代表者

崔 永林  自治医科大学, 医学部, 助教 (40458295)

研究分担者 杉山 幸比古  自治医科大学, 医学部, 教授 (70183415)
曽田 学  自治医科大学, 医学部, 研究員 (10406118)
キーワード肺がん / がん遺伝子 / トランスジェニックマウス
研究概要

我々は完全長cDNAを効率的に発現させるレトロウィルスcDNA発現ライブラリー作成法を開発し、これを用いて肺腺がん切除検体から新たな融合型チロシンキナーゼEML4-ALKを発見した。同がん化キナーゼは染色体転座inv(2p)が肺がん細胞内で生じた結果、EML4遺伝子とALK遺伝子とが融合することにより生じる。本来ALK遺伝子は受容体型チロシンキナーゼをコードしているが、EML4と融合することでその酵素活性が恒常的に上昇し、がん化を導くと考えられる。本研究計画において我々はEML4-ALKがん化キナーゼの肺がん発症における役割を検証すると共に、下流に働くシグナル伝達分子を同定し、同キナーゼの具体的ながん化メカニズムを解明することを目指した。まずEML4-ALKが具体的に生体内において発がんの主たる原因であることを確認するために同遺伝子を肺胞上皮特異的に発現するトランスジェニックマウスを作成した。EML4-ALK発現トランスジェニックマウスは生後僅か2-3週で両肺に数百個の肺腺がんを発症したことから、EML4-ALKは例外的に強力ながん遺伝子であることが証明された。すなわち同遺伝子陽性肺がんはEML4-ALK依存性に発症していると考えられる。従ってALKの酵素活性を特異的に阻害する化合物はEML4-ALK陽性肺がんの全く新しい分子標的治療剤となると期待される。実際本マウスにALK阻害剤を投与することで一ヶ月以内にこれら肺腺がんは速やかに消失し、著明な治療効果を有することも検証された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Multiplex reverse transcription-PCR screening for EML4-ALK fusion transcripts2008

    • 著者名/発表者名
      Takeuchi K, et.al.
    • 雑誌名

      Clin Cancer Res 14

      ページ: 6618-6624

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A mouse model for EML4-ALK-positive lung cancer2008

    • 著者名/発表者名
      Soda M, et.al.
    • 雑誌名

      Proc Natl Acad Sci USA 105

      ページ: 19893-19897

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Identification of novel isoforms of the EML4-ALK transforming gene non-small cell lung cancer2008

    • 著者名/発表者名
      Choi YL, et.al.
    • 雑誌名

      Cancer Res 68

      ページ: 4971-4976

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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