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2008 年度 実績報告書

癌抑制遺伝子RAPLとその下流標的分子Mst1による増殖及び発癌抑制機構

研究課題

研究課題/領域番号 20012050
研究機関関西医科大学

研究代表者

片桐 晃子  関西医科大学, 医学部, 准教授 (00322157)

キーワード免疫学 / p27^<kip1> / cell cycle / lymphoma / RAPL
研究概要

RAPLは、RASSFfamilyに属するRassf5(Norela)のalternative splicining formである。近年、Rassf5は、肺がん、肝がん、リンパ腫を始めとする様々な癌においてその発現が欠失していることがわかり、癌抑制遺伝子として注目されている。実際、RAPL欠損マウスは、肺がん、肝がん、B細胞リンホーマを発症する。RAPLがどのような分子機構で、癌の発症を抑制しているのかを解明することは、発がんのメカニズムを考える上でも重要である。Rassf5が、Hippo pathwayホモログを制御していることが示唆されているが、我々は、RAPLの下流でMst1が会合し、RAPL依存性に活性化されることを明らかとしている。従ってMst1を介するカスケードが癌抑制に関与する可能性を、Mst1ノックアウトマウスを作製し、検討した。このマウスはT細胞のhyperproliferationを示すものの、RAPL欠損マウスと違い、癌の発症は認められなかった。一方、RAPLは、p27kip1の細胞内での局在を10番目のセリンのリン酸化を介して核内への輸送を促進することで増殖を抑制している可能性が示唆されている。そこでセリンをアラニンへ置換したノックインマウスとRAPL欠損マウスと掛け合わせ、RAPL欠損による増殖亢進が影響されるかどうか検討した結果、有意に低下することが判明し、RAPLの増殖抑制作用はp27のリン酸化に依存することが証明された。さらに、RAPLによる癌抑制機能もp27のリン酸化に依存するのかどうか、あるいはHippo pathwayホモログに依存するのかMst1とMst2のダブルノックアウトマウスを作製し、検討中である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Organizer-like reticular stromal cell layer common adult secondary lymphoid organs2008

    • 著者名/発表者名
      Katakai T, Suto H, Sugai M, Gonda H, Togawa A, Suematsu S, Ebisuno Y, Katagiri K, Kinashi T, Shimizu A.
    • 雑誌名

      J. Immunol 81

      ページ: 6189-6200

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Mst1 controls lymphocyte trafficking and interstitial motility within lymphnodes

    • 著者名/発表者名
      Katagiri K, Katakat T, Ebisuno Y, Ueda Y, Okada T, Kinashi T.
    • 雑誌名

      EMBO J (In press)

    • 査読あり
  • [学会発表] Mst1 controls lymphocyte trafficking and interstitial motility within lymphnodes2008

    • 著者名/発表者名
      片桐晃子
    • 学会等名
      日本免疫学会
    • 発表場所
      京都国際会議場
    • 年月日
      2008-12-01

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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