研究課題/領域番号 |
20012051
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
義江 修 近畿大学, 医学部, 教授 (10166910)
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研究分担者 |
中山 隆志 近畿大学, 講師, 医学部 (60319663)
白川 愛子 近畿大学, 助教, 医学部 (30260285)
稗島 州雄 近畿大学, 准教授, 医学部 (10322570)
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キーワード | ATL / CTCL / Fra-2 / JunD / c-Myb / MDM2 / Bc1-6 / CCR4 |
研究概要 |
成人T細胞白血病(ATL)は高頻度でケモカイン受容体CCR4を発現している。ATLにおけるCCR4発現に関わる転写因子の解析から、ATLではAP-1ファミリーのFra-2が異常発現しており、そしてFra-2はJunDとともにヘテロダイマーを形成してATL細胞の増殖を促進し、またその下流遺伝子としてc-Myb, MDM2, Bc1-6などの原癌遺伝子の発現を誘導すること明らかにした。皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)は菌状息肉腫/セザリー症候群やCD30陽性未分化大細胞型リンパ腫などからなる腫瘍群で、ATLと同様にしばしばCCR4を発現し、さらにc-Mybの強発現が知られている。そこでCTCLにおけるFra-2の発現と役割について検討した。その結果、ATLと同様にCTCLでもFra-2、JunD、JunBの強い発現が認められ、さらにFra-2とJunDはCTCLでも細胞増殖を促進するとともに、c-Myb、MDM2、Bc1-6の発現を誘導することを明らかにした。このようにATLとCTCLという異なる腫瘍群でFra-2が関与する共通の発癌機構の存在が明らかになった。そこでさらにc-MybのATLとCTCLでの発現誘導機構をプロモーターレベルで解析した。その結果、-149塩基に存在するAP-1サイトがATLやCTCLでのc-Mybの発現に重要であり、Fra-2とJunDはこのAP-1サイトを介してc-Mybの転写発現を直接的に誘導すること、またATLやCTCLの細胞ではこのAP-1サイトにFra-2とJunDがインビボでも結合していることを明らかにした。
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