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2009 年度 実績報告書

細胞増殖・死の制御と癌の悪性化におけるクラスIIIPI3キナーゼの役割

研究課題

研究課題/領域番号 20013006
研究機関秋田大学

研究代表者

佐々木 雄彦  秋田大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50333365)

研究分担者 佐々木 純子  秋田大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (30333371)
高須賀 俊輔  秋田大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (90375262)
キーワードリン脂質 / イノシトールリン脂質 / 前立腺 / 発癌
研究概要

イノシトールリン脂質は、多様な蛋白質の活性や細胞内局在を調節することで、増殖、アポトーシス、細胞運動などを制御する。これら細胞応答の異常は、無限に増殖し、浸潤・転移に至る癌細胞の特性の発現へと繋がるものと考えられる。ホスファチジルイノシトール3リン酸はオートファジー、栄養シグナル伝達、小胞輸送等への関与が示唆されるPIs分子種であるが、癌の発生や悪性化におけるこの脂質の役割は不明である。本研究では、ホスファチジルイノシトール3リン酸生成酵素であるクラスIII PI3K (PIK3aC3)が細胞の増殖・生存の制御において果す役割を紐解くとともに、発癌と浸潤・転移におけるPIK3aC3の寄与をマウス個体レベルの解析から明らかにする。癌抑制遺伝子であるPTENの欠損による前立腺がんの発症は、PIK3aC3の遺伝子欠損により抑制された。PIK3aC3のプロダクトであるホスファチジルイノシトール3リン酸が、PTENの欠損によって細胞内に蓄積するか否かを検討した。PTEN遺伝子を欠損するマウス胚性線維芽細胞(MEF)を[3H]イノシトールでメタボリックラベルし、脂質を抽出後にHPLCで解析したが、ホスファチジルイノシトール3リン酸レベルの顕著な変化は確認されていない。一方PIK3aC3遺伝子欠損MEFではそのレベルは低下していた。これらの結果は、少なくともMEFにおいては、PIK3aC3がPTENと脂質産物レベルで拮抗的に働くことはないことを示している。今後、前立腺上皮細胞内のホスファチジルイノシトール3リン酸動態を生体レベルで解析するなどして、PIK3aC3欠損による癌抑制のメカニズムを解明したい。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Allergic airway hyperresponsiveness, inflammation, and remodeling do not develop in phosphoinositide 3-kinase γ-deficient mice2009

    • 著者名/発表者名
      Takeda M., et al.
    • 雑誌名

      J Allergy Clin Immunol. 123

      ページ: 805-812

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Mammalian phosphoinositide kinases and phosphatases2009

    • 著者名/発表者名
      Sasaki T., et al.
    • 雑誌名

      Prog Lipid Res. 48

      ページ: 307-343

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Sequential regulation of DOCK2 dynamics by two phospholipids during neutrophil chemotaxis2009

    • 著者名/発表者名
      Nishikimi A, et al.
    • 雑誌名

      Science 324

      ページ: 384-387

    • 査読あり
  • [学会発表] In vivo Role of Inositol Polyphosphate Phosphatase 4A2009

    • 著者名/発表者名
      Sasaki, T.
    • 学会等名
      Keystone Symposium
    • 発表場所
      Olympic Valley, CA, USA
    • 年月日
      2009-04-26

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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