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2008 年度 実績報告書

網膜芽細胞腫の細胞系譜・分子基盤の解明とその増殖機構の破綻メカニズムの解析

研究課題

研究課題/領域番号 20013008
研究機関東京大学

研究代表者

渡邉 すみ子  東京大学, 医科学研究所, 特任教授 (60240735)

キーワードWntシグナル / 網膜 / 増殖制御 / モデルマウス
研究概要

網膜芽細胞腫の摘出検体2例について解析を行なう依頼をうけたため、表面抗原の発現をFACSにて解析した。それぞれ4カラー解析により約12種類の表面抗原の発現を検討した。1例目は網膜の未分化なマーカーの発現が観察され、この2つの抗原は我々がマウスの網膜でプロジェニター細胞のマーカーとして同定した抗原と一致した。一方2例目の症例では未分化網膜マーカーの発現は観察されず、より時期の遅いマーカーの発現が観察された。今後臨床像とマーカーの発現の関係について検討を行なっていく素地となる流れができたため、今後は臨床サンプル解析依頼としてではなく、研究として継続して解析するため、研究計画の倫理審査の承認をうけ、継続していく。
網膜芽細胞腫の樹立細胞株について表面抗原と増殖能の関連の検討を行なっているが、現在のところ、関連のある表面抗原は見いだされていない。
コモンマーモセットについては、まず表面抗原の発現パターンと細胞種の関係について検討をおこなった。CD44がグリア細胞の、CD73が視細胞のマーカーであることなどが明らかになり、マウスで見いだしてきた主要な表面抗原がマーモセットでも同様にマーカーとして使用できる事が明らかになった。shRNAのコンストラクトを含めた遺伝子導入をおこなうために、マーモセット網膜細胞への遺伝子導入法の検討を行い、VSVGシュードタイプのレトロウイルスにより遺伝子導入が可能であることが明らかになったが、効率が極めて低いため、条件検討などを行なっている。
以上、摘出標本を用いた本格的な表面抗原の検討は過去に例がなく、これまで長年の研究にもかかわらず、決定的な結論の出ていなかつた網膜芽細胞腫について研究の糸口が開かれた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] CD138/syndecan-1 and SSEA-1 mark distinct populations of developing ciliary epithelium that are regulated differentially by Wnt signal2008

    • 著者名/発表者名
      Koso, H., et.al.
    • 雑誌名

      Stem Cells 26

      ページ: 3162-3171

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The HMG-transcription factor Sox2 is sufficient for the induction of amacrine cells in mouse retina. Invest. Ophthalmol2008

    • 著者名/発表者名
      Lin, Y., et.al.
    • 雑誌名

      Invest. Ophthalmol. Vis. Sci 50

      ページ: 68-74

    • 査読あり
  • [雑誌論文] TGIF, a homeodomain transcription factor, regulates retinal progenitor cell differentiation2008

    • 著者名/発表者名
      Satoh, S., et.al.
    • 雑誌名

      Exp. Eye. Res 87

      ページ: 571-579

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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