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2009 年度 実績報告書

細胞接着・運動におけるDockファミリー蛋白質の機能及びその活性制御機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 20013023
研究機関京都大学

研究代表者

加藤 裕教  京都大学, 生命科学研究科, 准教授 (50303847)

研究分担者 根岸 学  京都大学, 生命科学研究科, 教授 (60201696)
キーワード癌 / 細胞・組織 / シグナル伝逹 / 発生・分化
研究概要

がん細胞の浸潤・転移に深く関連のある細胞接着や運動に関して、Rhoファミリーの低分子量G蛋白質の関与がこれまでにも数多く報告されている。最近Dock180に代表される、新しいタイプのRhoファミリーG蛋白質活性化因子(Dockファミリー)の存在が明らかになった。本研究では、我々が新しく見出したRhoG-ELMOを介したDockファミリーの活性制御メカニズムが、乳癌細胞の浸潤に促進的に関与していることを明らかにした。我々は始めにRhoGの上流について検討を行い、RhoGを活性化するGEFとしてEphexinファミリーに属するEphexin4を見いだした。Ephexin4は乳癌細胞において発現が見られ、乳癌細胞の浸潤性と深く関係があるとされるEphA2と細胞内で結合していることを見いだした。さらにショートヘアピンRNAにより内在性のEphexin4をノックダウンさせると乳癌細胞の運動性が抑制され、ノックダウン細胞にEphexin4もしくは常時活性型RhoGを発現させることでそれは細胞運動の抑制が解除された。Ephexin4によるRhoG活性化の下流では、ELMO2-Dock4複合体が関与していることも明らかとなった。以上の結果から、Ephexin4によるRhoGを介したDock4の活性化という新しいシグナル伝達経路を見いだし、この経路が乳癌細胞の浸潤性の増強に深く関わっていることが考えられた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] RhoG promotes neural progenitor cell proliferation in mouse cerebral cortex.2009

    • 著者名/発表者名
      Fujimoto, S., Negishi, M., Katoh, H.
    • 雑誌名

      Molecular Biology of the Cell 20

      ページ: 4941-4950

    • 査読あり
  • [雑誌論文] β2-Chimaerin binds to EphA receptors and regulates cell migration.2009

    • 著者名/発表者名
      Takeuchi, S., Yamaki, N., Iwasato, T., Negishi, M., Katoh, H.
    • 雑誌名

      FEBS Letters 583

      ページ: 1237-1242

    • 査読あり
  • [学会発表] β2-chimaerinはEph受容体と結合して細胞運動を抑制する2009

    • 著者名/発表者名
      竹内真吾、山木菜央、岩里琢治、根岸学、加藤裕教
    • 学会等名
      第82回日本生化学会大会
    • 発表場所
      神戸国際会議場
    • 年月日
      2009-10-24
  • [学会発表] 樹状突起の形態形成におけるDockファミリーの役割2009

    • 著者名/発表者名
      加藤裕教、上田修平、倉本和也、藤本聡志、根岸学
    • 学会等名
      第32回日本神経科学大会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場
    • 年月日
      2009-09-16
  • [学会発表] 細胞運動におけるEph受容体によるRac活性制御2009

    • 著者名/発表者名
      加藤裕教
    • 学会等名
      第61回日本細胞生物学会大会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場
    • 年月日
      2009-06-02

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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