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2009 年度 実績報告書

レドックスシグナルと細胞がん化

研究課題

研究課題/領域番号 20013025
研究機関大阪大学

研究代表者

三木 裕明  大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (80302602)

キーワードWnt / Dishevelled (Dvl) / Nucleoredoxin (NRX) / がん
研究概要

本研究は、細胞がん化に重要なWntシグナルの伝達因子Dishevelled (Dvl)に結合する新規因子として見つけたnucleoredoxin (NRX)の機能、またがん化への関与について調べることを目的としている。NRXノックアウトマウスは骨形成や心臓形成に異常を示すが、Wntシグナルが骨では活性化する一方で、心臓では減弱していることがわかった。この原因はDvlの蛋白質量が心臓において非常に大きく減少しているためであり、NRXノックアウトマウス由来の繊維芽細胞(MEF)ではDvlのユビキチン化および蛋白質分解の促進が起こっていた。Dvlをユビキチン化する酵素としてE3複合体の一つKLHL12が知られているが、NRXの非存在下ではDvlとKLHL12の結合が恒常的に起こっており、そのためにユビキチン化が促進していることも明らかとなった。またNRXとpS3の両遺伝子のダブルへテロマウスを作製してその経過観察を行ったが、寿命に関しては特に顕著な差異は認められなかった。NRXの新規結合蛋白質の探索からFlightless-I (Fli-I)を見つけていたが、NRXが自然免疫応答に重要なアダプター蛋白質MyD88とFli-Iとの複合体形成を仲介していることが明らかとなった。実際NRXノックアウトMEFにおいてはMyD88がかかわるTLRシグナル伝達が過剰に活性化することも確認しており、NRXが多様な生物学的機能を果たしていることがわかった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Discovery of candidate disease genes in ENU-induced mouse mutants by large-scale sequencing identifies a splice-site mutation in nucleoredoxin.2009

    • 著者名/発表者名
      Boles, et al.
    • 雑誌名

      PLoS Genetics VOL.5

      ページ: e1000759

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A coated vesicle-associated kinase of 104 kDa (CVAK104) induces lysosomal degradation of frizzled 5 (Fzd5).2009

    • 著者名/発表者名
      Terabayashi, et al.
    • 雑誌名

      Journal of Biological Chemistry VOL.284

      ページ: 26716-26714

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Sufu recruits GSK3beta for efficient processing of Gli3.2009

    • 著者名/発表者名
      Kise, et al.
    • 雑誌名

      Biochemical and Biophysical Research Communications VOL.387

      ページ: 569-574

    • 査読あり
  • [学会発表] タンパク質の酸化修飾によるシグナル伝達の制御2009

    • 著者名/発表者名
      三木裕明、船戸洋祐、森中紹文
    • 学会等名
      日本生化学会
    • 発表場所
      神戸国際会議場(兵庫県)
    • 年月日
      2009-10-23
  • [備考]

    • URL

      http://www.protein.osaka-u.ac.jp/intra_signal/index.html

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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