研究概要 |
1) 核とミトコンドリアゲノムの両方に8-oxoGが蓄積した場合の細胞死の経路の解明 OGG1を欠損したマウス細胞株とヒト核型/ミトコンドリア型OGG1の両方を発現する細胞株を用いて, メナジオンによる負荷(細胞内で活性酸素を生成)時の細胞死について以下の成果を得た。電子顕微鏡観察によりOGG1欠損マウス細胞株では核とミトコンドリアゲノムの両方に8-oxoGが蓄積すると, オートファゴゾームが出現することを見出した。 2) ヒト細胞を用いたMUTYH依存性細胞死のモデルの普遍性の検証 p53野生型および変異型のヒトがん由来培養細胞株をもちいてOGG1, MUITYH, MTH1の発現をQ-RT-PCRとウエスタンブロッティングで解析し、OGG1とMUTYHの発現がp53依存性であることを見出した。さらにp53野生型細胞でH_2O_2負荷によりp53とMUTYHに依存した細胞死が誘導されることを明らかにした。 3) MUTYHゲノム配列からp53結合配列を検索し、3つの候補配列を見出した。この配列に対してCHIPアッセイを行い、MUTYHゲノム領域にp53結合領域が存在することを明らかにした。 4)MUTYHアイソフォームの細胞死誘発における役割の解明 ヒト細胞株においてTet-Off誘導発現系を樹立し、MUTYHアイソフォームの誘導発現系を構築中である。
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