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2009 年度 実績報告書

ADAM28の癌細胞増殖・浸潤・転移における作用解析

研究課題

研究課題/領域番号 20013040
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

岡田 保典  慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00115221)

研究分担者 佐々木 文  , 医学部, 助教 (60343381)
下田 将之  , 医学部, 助教 (70383734)
望月 早月  , 医学部, 助教 (80365428)
キーワードADAM / von Willebrand factor / 増殖 / 転移 / アポトーシス
研究概要

活性型ADAM28とvon Willebrand factor(VWF)をインキュベートすると、ADAM28はグアニジン塩酸の存在に関係なくVWFマルチマーを低分子化し、ADAM28はVWFのD3-A1ドメインのGly^<1242>-Leu^<1243>ボンド間とA1-A2ドメインのLeu^<1482>-Leu^<1483>ボンド間の2か所で切断することが明らかとなった。ADAM28高発現癌細胞株(PC-9、MDA-MB231、Caki-2)と非発現癌細胞株(MCF-7、HepG2)を培養下でVWF処理したところ、ADAM28非発現癌細胞株でアポトーシスが誘導されたが、高発現癌細胞株ではアポトーシスは観察されなかった。一方、ADAM28高発現PC-9細胞株においては、ADAM阻害剤、ADAM28の中和抗体、ADAM28 siRNA処理すると、VWFによるアポトーシスが出現し、アポトーシス活性はVWFの分解と逆相関していた。VWFは癌細胞膜上にあるインテグリンαvβ3に結合し、p53のリン酸化やcaspase-3の活性化を介してアポトーシスを誘導することが明らかとなり、ADAM28高発現癌細胞ではADAM28によるVWF分解によりVWFの細胞結合阻害の結果、アポトーシスが回避されることが示された。ADAM28高発現安定細胞株をマウス尾静脈内注入し、バイオイメージング法で観察したところ、ADAM28のsiRNA/atelocollagenを投与したり、shRNAによりADAM28の遺伝子発現を抑制した場合には肺転移が有意に抑制された。また、ADAM28遺伝子発現抑制群では、アポトーシス細胞が多い傾向を認めた。これらのデータより、ADAM28はVWFの分解によりVWF誘導性癌細胞アポトーシスを回避させ、癌細胞の血管内での生存延長、癌細胞転移促進に働いていることが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] ADAM28 as a target for human cancers.2009

    • 著者名/発表者名
      Mochizuki S., Okada Y.
    • 雑誌名

      Curr.Pharm.Des. 15

      ページ: 2349-2358

    • 査読あり
  • [学会発表] 組織内微小環境因子代謝酵素ADAMの性質とヒト癌組織での役割2009

    • 著者名/発表者名
      岡田保典
    • 学会等名
      第20回日本消化器癌発生学会
    • 発表場所
      広島
    • 年月日
      20091126-20091127

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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