研究課題/領域番号 |
20015015
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
角田 茂 東京大学, 医科学研究所, 助教 (80345032)
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研究分担者 |
岩倉 洋一郎 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10089120)
西城 忍 東京大学, 医科学研究所, 助教 (60396877)
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キーワード | サイトカイン / C型レクチン / 腫瘍免疫 / T細胞 / 樹状細胞 |
研究概要 |
がん細胞に対する宿主側の免疫応答を利用した癌治療は、長年その実現が求められてきたにも拘わらず、多くの課題が残されている分野の1つである。申請者らはこれまでIL-1/IL-17などの炎症性サイトカインやDectin-1、DCIRなどのC型レクチンの遺伝子欠損(KO)マウスを作製するなどして、免疫系に於けるこれらの遺伝子の役割を解析してきた。この中で、Th17が新しいT細胞サブセットとして炎症や自己免疫の発症に重要な役割を果たすことを明らかにしてきた。また、Dectin-1シグナルは選択的にTh17分化を促進させることが報告され、Dectin-1のシグナルとIL-17産生の関連が示唆されている。さらにDCIRを欠損させると樹状細胞(DC)が過剰増殖し、自己免疫を発症することを示した。そこで本研究では、これまでのサイトカインおよびC型レクチン研究を発展させることを目指した。腫瘍形成におけるIL-17の役割を明らかにするためにKOマウスへの腫瘍細胞株の移植実験を行ったが、B16やMethAなどの細胞株ではKOマウスと野生型の間に違いは認められなかった。異なる性質を持つ細胞株についても検討する必要がある。一方、DCIRKOマウスでは一部腫瘍細胞株において移植時の成長遅延が認められ、DCIRのシグナルの欠損により腫瘍免疫能が亢進することが明らかになった。すなわち、DCIRを標的とした腫瘍免疫への応用の可能性が示された。
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