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2009 年度 実績報告書

インターフェロン遺伝子発現の増強・持続化による新規癌治療戦略

研究課題

研究課題/領域番号 20015022
研究機関京都大学

研究代表者

高倉 喜信  京都大学, 薬学研究科, 教授 (30171432)

キーワード遺伝子治療 / インターフェロン / 薬動学解析 / ベクター開発 / CpGモチーフ
研究概要

癌を対象としたインターフェロン(IFN)遺伝子治療効果の増強を目的に、インターフェロンγ(IFN-γ)遺伝子発現の増強・持続化に取り組んだ。昨年度までの検討から、プラスミド中のCpGモチーフが遺伝子発現が短期間であることの一因である可能性が示された。そこで、投与したプラスミド中のCpGモチーフのメチル化について検討したところ、CpGモチーフの多いプラスミドを投与した際に遺伝子発現の急激な低下が観測される投与後数日の時点では、プラスミドのCpGモチーフはメチル化されないことが明らかとなった。また、予めメチル化処理を行ったプラスミドを投与した場合にも、レベルは低いものの遺伝子発現が認められたことから、メチル化修飾は遺伝子発現レベルには影響を及ぼすものの、遺伝子導入時の急速な発現低下の要因ではないことが強く示唆された。一方、担癌マウスやアレルギー疾患モデルマウスでの長期発現実験において、投与量を増大させた場合には、遺伝子導入直後に観察された高いIFNレベルに起因すると考えられる有害作用が認められた。そこで、この一過性ピークの原因を明らかにするために、プロモータ/エンハンサの組み合わせを種々変更したIFN発現プラスミドを構築し、マウスに遺伝子導入後の血清中濃度プロファイルを解析した。その結果、導入直後の一過性ピークにはCMVエンハンサの関与が指摘された。一方、ROSA26プロモータを含むプラスミドからの遺伝子発現は、エンハンサの有無や種類に関わらず一定となることが示され、副作用の軽減に繋がることが期待された。一方、遺伝子発現後のIFNタンパク質の体内動態制御による治療効果増強にも取り組み、アルブミンとの融合タンパク質を設計することで、IFN-γの速やかな血中消失を抑制可能であることも明らかとなった。以上本研究では、プラスミドベクター並びにIFNタンパク質を新たにデザインすることで、IFN遺伝子発現の増強・持続化に成功した。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (7件)

  • [雑誌論文] Sustained exogenous expression of therapeutic levels of IFN-gamma ameliorates atopic dermatitis in NC/Nga mice via Th1 polarization.2010

    • 著者名/発表者名
      Hattori K, et al.
    • 雑誌名

      Journal of Immunology 184

      ページ: 2729-2735

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Effect of the content of unmethylated CpG dinucleotides in plasmid DNA on the sustainability of transgene expression.2009

    • 著者名/発表者名
      Mitsui M, et al.
    • 雑誌名

      Journal of Gene Medicine 11

      ページ: 435-443

    • 査読あり
  • [学会発表] 発現タンパク質の時空間制御による遺伝子治療効果の最適化2010

    • 著者名/発表者名
      西川元也, ほか
    • 学会等名
      日本薬学会第130年会
    • 発表場所
      岡山
    • 年月日
      20100328-20100330
  • [学会発表] 有効かつ安全なIFN-γ遺伝子治療システム開発に向けた遺伝子発現プロファイルの制御2010

    • 著者名/発表者名
      安藤満, ほか
    • 学会等名
      日本薬学会第130年会
    • 発表場所
      岡山
    • 年月日
      20100328-20100330
  • [学会発表] 体内動態制御型インターフェロン融合タンパク質のデザインとin vivo遺伝子導入後の体内動態2009

    • 著者名/発表者名
      宮川典子, ほか
    • 学会等名
      遺伝子・デリバリー研究会第9回シンポジウム
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      20090709-20090711
  • [学会発表] ヒトインターフェロンγ持続発現型プラスミドベクターの開発2009

    • 著者名/発表者名
      安藤満, ほか
    • 学会等名
      遺伝子・デリバリー研究会第9回シンポジウム
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      20090709-20090711
  • [学会発表] インターフェロンγの持続的遺伝子発現による皮膚免疫・バリア機能の改善2009

    • 著者名/発表者名
      西川元也, ほか
    • 学会等名
      遺伝子・デリバリー研究会第9回シンポジウム
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      20090709-20090711
  • [学会発表] 長期持続型ヒトインターフェロンγ発現プラスミドベクターの開発2009

    • 著者名/発表者名
      安藤満, ほか
    • 学会等名
      第25回日本DDS学会学術集会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20090703-20090704
  • [学会発表] Inhibition of atopic dermatitis by sustained exogenous expression of interferon γ in NC/Nga mice2009

    • 著者名/発表者名
      Watcharanurak K, et al.
    • 学会等名
      日本薬剤学会第24年会
    • 発表場所
      静岡
    • 年月日
      20090521-20090523

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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