テーマ1)より厳密な定量性をもつ新規プローブの開発 本研究では、EGFPより至適な蛍光タンパク質を開発し、バックグラウンドの蛍光が低く定量性に優れた新規プローブを開発する。本研究の目的は、蛍光タンパク質性のデグラトンプローブの蛍光変動の時系列データに基づいて、数理モデルの構築を行い、連立微分方程式を解いて個々のパラメーターの関与の程度を明らかにすることにある。その数学的な解析を実施する上では、将来的にはデグラトンプローブの蛍光のみに基づいて様々な解析を行うにしても、一度は、抗生物質の直接定量とプローブの蛍光変動を生きたマウスにおいて同時に解析し、その精度を評価しておくことが重要である。しかしながら、マウスから一部採取した血液中のTet系抗生物質は非常に微量であり検出は困難である。そこで本研究では、Tet系抗生物質にそれ自体が蛍光物質であるAHTetを用い、プローブはこれとは異なる波長特性になるように開発することで、この問題を解決し同時測定を実施することを試みる。 20年度中には、まず培養細胞での実験により、AHTetの検出条件を決定するとともに、AHTetと異なる波長特性の蛍光タンパク質を用いた新規プローブの開発にも成功し、その発現をモニターするための3色目の蛍光ターンパク質と組み合わせた、上記の条件をすべて満たす3カラー解析系の構築に成功した。またAHTetのスペクトル特性などについても解析し、動物の血中における計測技術も確立した。
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