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2008 年度 実績報告書

バクテリア最小ゲノムシステムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 20016023
研究機関首都大学東京

研究代表者

加藤 潤一  首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (10194820)

キーワード大腸菌 / 最小必須遺伝子群 / 必須遺伝子 / 染色体 / 欠失変異 / ゲノム / 分子生物学
研究概要

(1)染色体大規模欠失株の作製
大腸菌染色体大規模欠失株の作製を進める中で、野生株では欠失できた領域が大規模欠失株では欠失株が単離できないケースが出てきたので、これらの領域を解析するために新しい実験系を構築した。
(2)生育に必須な過程に関与する遺伝子群の機能解析
(ア)機能未知必須遺伝子の解析 : DNaseをコードすると予想される機能未知必須遣伝子yagFについて、高温感受性変異株から調製したプラスミドでは超らせん構造が変化していることを見出した。またYqgFタンパク質を精製して調べた結果、endonuclease活性が検出された。また遺伝学的解析により、転写に関与することが示唆され、DNAの正常な構造を維持することにより転写を正常に進ませる新規なメカニズムの可能性が考えられた。機能的に関連している三つの機能未知必須遺伝子yeaZ, ygjD, yieEについて、YgjDとYeaZが複合体を作ることを見出した。YgjD-YeaZ複合体を部分精製して調べた結果、種々のDNAを基質にした時に興味深いDNase活性が検出された。近年古細菌のホモログがAP endonucleaseであるとの報告があったが、遺伝学的解析からは支持する結果が得られず、これも転写に関与することが示唆された。
(イ)バイパスが存在する必須過程に関与する遺伝子群の同定、機能解析
染色体の約30%を欠失させた大規模欠失株の定常期における生存率が著しく低下している事を見出し、この性質が複数の遺伝子が欠損したことによることを明らかにしていたが、その原因遺伝子の一つとしてdpsを同定した。また増殖期の生菌率が低下していることもわかり、これも複数の遺伝子の欠損によるもので、やはりdps遺伝子の欠損が原因の一つであることがわかった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Superpositioning of deletions promotes growth of Escherichia coli with a reduced genome2008

    • 著者名/発表者名
      MizoEuchi. H
    • 雑誌名

      DNA Research 15

      ページ: 277-284

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Involvement of an essential gene, mviN, in murein synthesis in Escherichia coli2008

    • 著者名/発表者名
      Inoue, A
    • 雑誌名

      J. Bacteriol 190

      ページ: 7298-7301

    • 査読あり
  • [学会発表] Construction of Escherichia coil long chromosomal deletion mutants and genome minimization2009

    • 著者名/発表者名
      Kato, J
    • 学会等名
      The 82nd Annual Congress of Japanese Society for Bacteriology
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2009-03-13
  • [学会発表] 大腸菌染色体大規模欠失株の作製と解析2009

    • 著者名/発表者名
      加藤潤一、(本多弘典、大森拓磨、金景順、蔡安蓉、橋本昌征、樽谷愛理)
    • 学会等名
      第3回日本ゲノム微生物学会年会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2009-03-05
  • [学会発表] 大腸菌の染色体大規模欠失変異株の作製とその性質2008

    • 著者名/発表者名
      加藤潤一
    • 学会等名
      第31回日本分子生物学会年会・第81回日本生化学会大会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2008-12-11

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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