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2008 年度 実績報告書

比較ゲノム解析による擬態斑紋の進化プロセスの解明

研究課題

研究課題/領域番号 20017014
研究機関名古屋大学

研究代表者

新美 輝幸  名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教 (00293712)

キーワード比較ゲノム / 擬態 / 進化
研究概要

1. 斑紋多型を示すナミテントウを用いた解析
ナミテントウにおいて斑紋特異的な発現パターンを示す遺伝子として同定したth、ddc、lac 2のレポーターアッセイを行うため、昆虫の形質転換ベクターであるpiggyBacを用いて、各遺伝子のプロモーター上流域をEGFP遺伝子につないだレポーターアッセイ・ベクターを導入した形質転換ナミテントウを作出した。各コンストラクトにつき、独立した4〜6の系統が得られ、その形質転換効率は、5.1〜7.7%であった。
2. ミュラー型擬態を示すテントウムシ科内の種を用いた解析
ニジュウヤホシテントウから、クチクラの硬化に関わる酵素遺伝子としてebony、メラニン合成経路で作用する酵素遺伝子としてth、yellow、ddc、lac 2のcDNAをクローニングした。次に、larval RNAi法を行い、成虫クチクラの着色を観察した。その結果、ナミテントウとニジュウヤホシテントウの2種間で最も顕著な違いが現れたのはebonyのRNAiであった。ナミテントウでは黒色領域が拡大しただけだったのに対し、ニジュウヤホシテントウでは赤色領域が黒色に変化した表現型が観察された。以上の結果より、ニジュウヤホシテントウの赤い斑紋はebonyによって制御されることが明らかとなった。
3. テントウムシと上科レベルで異なるヘリグロテントウノミハムシを用いた解析
ヘリグロテントウノミハムシの斑紋形成において重要な役割を果たすことが推定されるyellow遺伝子をヘリグロテントウノミハムシよりクローニングした。他の昆虫の配列と比較したところ、アミノ酸レベルで60〜71%の相同性が認められた。現在、larval RNAi法を用いた機能解析を行う準備を進めている。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] ナミテントウ幼虫の斑紋パターンの変化2008

    • 著者名/発表者名
      原喜実子・大場裕一・柳沼利信・新美輝幸
    • 雑誌名

      比較内分泌学 34

      ページ: 146-148

  • [雑誌論文] テントウムシに関連した擬態2008

    • 著者名/発表者名
      後藤久美子・大場裕一・柳沼利信・新美輝幸
    • 雑誌名

      比較内分泌学 34

      ページ: 219-221

  • [学会発表] Ladybird watching2009

    • 著者名/発表者名
      Niimi, T.
    • 学会等名
      Molecular Mechanisms in Development and Evolution
    • 発表場所
      Pharmazentrum, Basel, Switzerland
    • 年月日
      2009-03-20
  • [学会発表] Development of gene function analysis systems for non-model insects2009

    • 著者名/発表者名
      Niimi, T.
    • 学会等名
      The 3^<rd> Insect Genomes Research Meeting
    • 発表場所
      RIKEN Center for Developmental Biology
    • 年月日
      2009-03-11
  • [学会発表] テントウムシに化ける虫たち-擬態斑紋の進化の謎に迫る-2008

    • 著者名/発表者名
      新美輝幸・伊藤佑太・大出高弘・西河秀人
    • 学会等名
      ミニゲノムひろばin福岡
    • 発表場所
      パピヨン24ガスホール
    • 年月日
      2008-12-21
  • [学会発表] ナミテントウとニジュウヤホシテントウの斑紋色素形成とその酵素遺伝子のクローニングと機能解析2008

    • 著者名/発表者名
      後藤久美子・松田武・大場裕一・柳沼利信・新美輝幸
    • 学会等名
      日本蚕糸学会中部支部第64回・東海支部大会第60回
    • 発表場所
      信州大学繊維学部
    • 年月日
      2008-11-27
  • [学会発表] ナミテントウのメラニン合成酵素遺伝子群のレポーターアッセイ : 形質転換ナミテントウの作出2008

    • 著者名/発表者名
      原喜実子・松田武・柳沼利信・新美輝幸
    • 学会等名
      日本蚕糸学会中部支部第64回・東海支部大会第60回
    • 発表場所
      信州大学繊維学部
    • 年月日
      2008-11-27
  • [学会発表] ムーアシロホシテントウの斑紋色素形成に関わる酵素遺伝子のクローニングおよびRNAi法を用いた機能解析2008

    • 著者名/発表者名
      原喜実子・大場裕一・柳沼利信・新美輝幸
    • 学会等名
      第44回日本節足動物発生学会
    • 発表場所
      信州大学理学部
    • 年月日
      2008-05-23

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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