研究概要 |
Fgf10遺伝子、Tbx遺伝子群の発現パターンの解析を行った。ゼブラフィッシュ、ツメガエル、ニワトリ、ポリプテルスの各胚において、咽頭嚢にFgf10の発現を認めた。ポリプテルスのTbx4, Tbx5は肺芽に発現しており、咽頭嚢に発現していないことを確認した。Tbx2に関してはクローニングはできたが、発現パターンの解析まで進んでいない。 Tbx遺伝子の機能阻害を行うために各種TBXとENの転写抑制ドメインのキメラ転写因子を発現するベクターの構築を行った。ツメガエル胚のFGFシグナルの抑制を行うためにSU5402処理を行い、肺芽の形成抑制を確認した。ポリプテルスに関しては後述のように実験用の胚が十分量確保できずに成果を得るにいたっていない。 ポリプテルスのゲノムBACライブラリーの作成を開始した。雄の成体の血液を採取し、有核赤血球からゲノムDNAを調整した。ゲノムサイズを測定し、2.8GBであることが明らかとなった。この実験は藤山秋佐夫博士と共同で行っている。 ポリプテルス胚のEST解析を開始した。原腸胚期から神経胚期のポリプテルス胚からRNAを抽出しcDNAを作成後、約10000クローンの塩基配列を決定した。1クローンしか得られない遺伝子が80.1%を占めており、さらに10000クローン塩基配列を決定する予定である。神経胚期以降のEST解析に関しては現在cDNAライブラリーを作成中である。
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