研究課題
1)Real-time PCRは特定の領域においてCNVを検出するために通常使われるが、複雑なゲノム領域において1コピーの差を正確に測定することは難しい。この問題を解決するためにNanofluidic chipによるデジタルPCRを試みた。ゲノムのサンプルを段階的に希釈して、TaqManの試薬とともにそれぞれ6nLの容量をもつ約10000個の微小区画に流し込む。テンプレートが入った区画のみPCR後シグナルが得られるため、シグナルの得られる微小区画の数によってテンプレートの濃度がデジタルカウント可能である。重要な薬剤の代謝遺伝子であり、コピー数多型の見られるCYP2D6についてNanofluidic chipを使ったデジタルPCRによりコピー数を測定し、高密度オリゴヌクレオチドマイクロアレイとの比較を行った。デジタルPCRは、高密度オリゴヌクレオチドマイクロアレイに比して定量性にすぐれ配列の類似したCYP2D7とも明瞭に区別して測定できた。2)ゲノムワイドにおける正確な絶対コピー数探索を可能な技術を確立するために、Illumina Genome Analyzerによる配列Tagの出現頻度を計測することによりコピー数のデジタルカウントを試みた。HCT116細胞株のゲノムを断片化し、138M個の配列Tag(5Gbp相当)の配列を3Kbp間隔で集計すると、従来のSNP6.0 arrayに比して高解像度のコピー数情報が得られ、マイクロアレイでは検出できなかった微小な増幅、欠失が観測された。
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Hepatology 49
ページ: 513-522