研究概要 |
デキサメサゾン(DEX)に応答すり視床下部発現をスクリーニングした。検出した既知遺伝子は10,801個だった。その内DEX投与によって2倍以上発現が変化した遺伝子は22個だった。15個は増加し、7個は減少した。一方でラット視床下部cDNAライブラリから11,092個の部分塩基配列を含むクローンを獲得し、GenBankデータベースとの相同性解析とクラスタリングによって2,777個の既知遺伝子を同定した。その内2,498個はマイクロアレイでも検出された。mRNA長が1,5-2.5kbの遺伝子について、ライブラリのクローン重複数とマイクロアレイのシグナル強度は有意に相関し(r=0.569(p<0.001))、検出した遺伝子のGOに基づく機能分布も両手法の間で類似していた。カスタムアレイによって残り279個のGC反応性を検証したところ、GC反応性遺伝子は含まれていなかった。GCによって増加した15個の遺伝子のうち、転写因子結合領域予測プログラム(rVISTA)と文献検索によってGREが予測された遺伝子は6個にすぎなかった。その中で、GC反応性が最も大きかったsgk、bc16、pdk4について発現の詳細を検討し、これら3遺伝子の発現がDEX容量依存性に増加することを確認した。In situhybridization法によって、CRH産生細胞の存在する室傍核を含む視床下部前方の切片でも3遺伝子の発現が検出された。In silicoの手法によって予測されたGREが実際に機能しているかを検討するため、Hela細胞を用いてレポーターアッセイを行った結果、sgkのプロモーター領域だけがGC反応性を示し、bc16, pdk44のプロモーターは反応しなかった。現在、これらの遺伝子機能の膵島との共通性について検討している。
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