• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

ヒト胃内感染ヘリコバクター属、ピロリとハイルマニのゲノム解析と病原性遺伝子の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20018017
研究機関神戸大学

研究代表者

東 健  神戸大学, 医学部, 教授 (60221040)

研究分担者 吉田 優  神戸大学, 医学研究科, 特命准教授 (00419475)
キーワードH.pylori / H.heilmannii / ゲノムシークエンス / MALTリンパ腫 / 胃がん
研究概要

Helicobacter pylari (H.pylori)は、大きさ1.0〜4.0μmのグラム陰性らせん状菌で、ヒトの胃内に特異的に生息し、慢性胃炎、胃がん、胃・十二指腸潰瘍、胃MALTリンパ腫など多様な疾患に関与している。一方、Helicobacter heilmannii (H. heilmannii)は大きさ4〜10μm、最大14本の単極、または双極の鞭毛を持ち、慢性胃炎や胃MALTリンパ腫に関与している。本研究は、ヒト胃内に生息する2種類のHelicobacter属の病原性を明らかにするとともに、H.heilmanniiのゲノムを解析し、病原性遺伝子を明らかにすることを目的とした。H.heilmanniiの病態を検討したところ、感染4週後から胃にリンパ濾胞が形成され、徐々にサイズの増大、数の増加が認められた。さらに、H.heilmannii感染におけるMALTリンパ腫形成メカニズムは、H.pyloriですでに報告されているリンパ種形成と近似のメカニズムである可能性が明らかになった。H.heilmannii感染マウスから精製したゲノムについてゲノムシークエンサー20によるメタゲノム解析を実施した結果、マウス由来のゲノムの混入はほとんどないことが確認され、BLAST解析によるGC%の分布からHelicobacter属の遺伝子は35-45%の範囲である可能性が示された。これは、腸内細菌由来のゲノムの混入によるものだと考えられる。また、Helicobacter属の遺伝子との相同性を検討したところ、HvirB10と80%の相同性を持った遺伝子が同定され、3.4kbpまで塩基配列を決定した。現在、H.heilmanniiをより効率よく分離する新たな方法を見出し、H.heilmanniiゲノムについてメタゲノム解析を実施している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Helicobacter pylon VacA-induced Inhibition of GSK3 through the PI3K/Akt Signaling Pathway2009

    • 著者名/発表者名
      Nakayama M
    • 雑誌名

      Journal of Biological Chemistry 284

      ページ: 1612-1619

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Helicobacter pylon CagA protein induces gastrointestinal carcinoma and leukemias in mice.2008

    • 著者名/発表者名
      Ohnishi N
    • 雑誌名

      Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 105

      ページ: 1003-1008

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Deregulation of beta-catenin signal by Helicobacter pylon CagA requires the CagA-multimerization sequence2008

    • 著者名/発表者名
      Kurashima Y
    • 雑誌名

      International Journal of Cancer 122

      ページ: 823-831

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi