研究課題/領域番号 |
20018020
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
三木 哲郎 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00174003)
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研究分担者 |
小原 克彦 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (30260384)
名倉 潤 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (70304607)
田原 康玄 愛媛大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (00268749)
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キーワード | 高血圧感受性遺伝子 / 血圧 / 大規模集団サンプル / ゲノム疫学 |
研究概要 |
ミレニアム・プロジェクト〜高血圧等循環器疾患感受性遺伝子解析グループにおいて、候補遺伝子アプローチを行い、シグナル伝達系に焦点を絞って約300遺伝子をゲノム網羅的に抽出し、1次スクリーニングした結果として38個の陽性SNPを得た。1次スクリーニングは、厳密な基準で全国から収集した700例ずつの高血圧/正常血圧サンプルを用いて行った。2次スクリーニングでは、14,000例を超える大規模集団サンプル(地域・職域集団由来)を用いた。このサンプルは、日本有数のゲノム疫学コホートを統合したものであり、5〜10年程度の経年的な臨床データや心血管系イベントの発症データなどが整っている。一連の研究成果として、再現性をもって高血圧と強い相関を示す2つの遺伝子が得られている。このうち遺伝子Aについては、1次スクリーニングサンプルで10^<-5>レベル、2次スクリーニングサンプルを含めると10^<-11>レベルの極めて強い相関を示したことから、当該遺伝子の機能ドメインを含むエクソン10のコンディショナルノックアウトマウスを作成し、血圧値や血管内皮機能との関係などについて検討を進めることとした。一方、2つめの候補遺伝子は、前駆型心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)を切断し活性型ANPを産生するセリンペプチダーゼCORINであり、これまでに黒人を中心として幾つかのアミノ酸置換を伴うSNPが高血圧や心肥大と相関することが報告されている。これらの成績を含め、これまでに世界的に報告されてきた疾患感受性遺伝子解析研究の成果は、いずでも断面的に疾患との相関をみたものが殆どである。そこで同定された2つの候補遺伝子や、肥満などの関連疾患の感受性遺伝子について、大規模集団サンプルを用いたゲノム疫学的な長期縦断解析から、今後、環境因子の交絡を調整した上で疾患の新規発症との相関を明確化する予定である。
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