研究概要 |
<研究の目的と進め方>ホモ接合ハプロタイプ法は, 我々が開発した新たな疾患遺伝子解析法である. 本研究では, ホモ接合ハプロタイプ法のアルゴリズムを改良し, さまざまな疾患遺伝子同定研究に耐えるものとするとともに, 実際のSNPタイピングデータを使用して, 疾患遺伝子解析を行うことを目的とする. <これまでの研究成果と課題> 1. ホモ接合ハプロタイプ法を用いた家系解析 a. ホモ接合ハプロタイプ法を用いて大家系による疾患遺伝子解析を行なうためのプログラムをC言語を用いて作成し, UNIX上で走行可能とした. b. 上記プログラムをXcode3.0を用いてMacOSX上に移植し, graphic user interfaceを作成してそのもとで作動するようにした. c UNIX版, MacOSX版のプログラムをInternet上で公開した。 Web Page address : http://honlepage.mac.com/hagiwark/FileSharingl.html d 本プログラムを用い, Ottawa(Canada)の研究者と複数の神経疾患に関して共同研究を行っている. 2. ホモ接合ハプロタイプ法を用いた全ゲノム関連解析 ホモ接合ハプロタイプは全ゲノム上で一意に決定可能であること, ハプロタイプ情報の一部を運んでいることより, SNPハプロタイプの代替情報として有利に使用できる. 特定のホモ接合ハプロタイプが疾患表現型と関連していることを検出する全ゲノム関連解析法は. SNPハプロタイプを用いた金ゲノム関連解折法の代替手法として, founder gene effectを検出するのに有用な手法となりうる. 我々は, ホモ接合ハプロタイプ法を用いた全ゲノム関連解析プログラムをC言語を用いて作成し, UNIX上で動作可能とした. 200名の日本人健常者全ゲノムSNPデータ(Affymetrix社SNP6.0にて採取したもの)を用いて, case 100例, control 100例から成るcase-control研究のシミュレーションを行なった. 図は, Case 100例中100例, 80例, 60例, 40例が岡一先祖からのfounder geneを受け継いでいる場合のシミュレーション結果である. 100例全員がfounder geneを有している場合, 300世代前の遺伝子まで検出できる可能性があることが示された. これは, 既存の方法の検出感度を大きく上回るものである.
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