研究課題/領域番号 |
20018027
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研究機関 | 福山大学 |
研究代表者 |
藤田 泰太郎 福山大学, 生命工学部, 教授 (40115506)
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研究分担者 |
広岡 和丈 福山大学, 生命工学部, 講師 (20389068)
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キーワード | 枯草菌 / 代謝制御 / ゲノム / マイクロアレイ / 応用微生物 / メタボローム / 代謝制御因子 / ネットワーク |
研究概要 |
緊縮条件により引き起こされたATP濃度の上昇やGTP濃度の低下が広範囲なオペロンの転写開始を調節しているを明白にした。グルコースからピルビン酸に至りざらにピルビン酸を代謝する経路に関しては、PTS系によるグルコースの取り込み系(pts)とピルビン酸かちアセチル-CoAの合成(pdh)が負に制御され、逆にピルピン酸からの分岐鎖アミノ酸合歳(ilv-leu)、アセトイン合成系(als)、およびスレオニンやリジン合成系に入らせるピルビン酸カルボキシラーゼ(pycA)遺伝子群の発現が正に制御される。負の制御を受けるptsGの転写開始点の塩基配列は、(-2)TTGG(+2)であり、最初のGが転写開始点で、最初のGと次のGをAに変えたどぎこの負の緊縮制御が見られなくなった。さらに負の制御を受けるpdhオペロンと正の制御を受けるpycA遺伝子の転写の開始点をプライマー伸長法で決定したところ、それぞれ、(-2)ATGT(+2)と(-2)TrAT(+2)であり、(+1)のGとAが負と正の制御関連していることが強く示唆された。そこで、pdhオペロンの転写開始点のGをAに置換したところ、負の制御が正の制御に転換した。さらに、正の制御を受けるhom-thrCBとalsSDオペロンの転写開始点は、それぞれ(-2)TGTA(+2)と(-2)TTAT(+2)であることが判った。これらの知見は転写開始点あるいはその次の塩基がGかAで、緊縮制御が正の制御か負の制御かが決定される事が推察された。従って、緊縮制御を受けるプロモーターでは、RNAポリメラーゼによる転写開始の頻度が、基質のGTPとATPの濃度に強く依存し、負の制御の場合はGTP濃度の減少が正の制御の場合はATP濃度の増加がこの緊縮応答の重要な要因であるを推定された。 ptsとpdhオペロンの転写開始点、あるいはその次のGをAに変換すると負の緊縮制御が解除される。これらの置換を季来のptsおよびpdhオペロンに導入し、ptsおよびpdhオペロンが緊縮制御下でも効率よく発現され活発なグルコース代謝を示すか検討するため塩基置換菌株を構築中で、pdhオペロンの塩基置換株の構築に成功したが、ptsオペロンの塩基置換株の構築には未だ成功していない。
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