研究課題/領域番号 |
20018029
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
見理 剛 国立感染症研究所, 細菌第二部, 研究員 (80270643)
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研究分担者 |
宮田 真人 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50209912)
佐々木 裕子 国立感染症研究所, 細菌第二部, 研究員 (10196181)
堀野 敦子 国立感染症研究所, 細菌第二部, 研究員 (90270652)
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キーワード | マイコプラズマ / 細菌ゲノム / 細胞骨格 / 細胞付着 / 感染 / 滑走運動性 / GFP / 蛍光タンパク質タグ |
研究概要 |
M. pneumoniaeの細胞内の大部分のタンパク質ついて、蛍光タンパク質タグ法による局在観察を終了した(全ORF産物の約90%、620個)。その結果、蛍光顕微鏡で蛍光が観察できたタンパク質は、全体の約77%で、残りの約23%は蛍光が観察されなかった。蛍光が観察されなかったのは膜タンパク質のホモログが多く、蛍光タンパク質タグ法を膜タンパク質に適用した場合、成功しないことが多いと考えられた。特に今回は各タンパク質のN末端側に蛍光タンパク質を連結する実験デザインだったため、N末端にシグナル配列をもつリポタンパク質では蛍光タンパク質タグ法が機能しなかったものと思われる。蛍光が観察されたタンパク質を蛍光のパターンによって大別すると、約43%は蛍光が細胞内で収束(Focus)して観察される場合が多かった。また、約23%は蛍光が細胞中に拡散した状態で観察された。それ以外のタンパク質では、細胞内の蛍光パターンは収束と拡散が混在し、不規則な蛍光像が見られた。これまでの結果から、比較的再現性よく接着器官部位に明らかな局在を示したタンパク質は約60個だった。この中には以前から接着器官部位に存在することがわかっていた9個のタンパク質(HMW1、HMW2、HMW3、P1、P30、P65、P200、P24、P41)も含まれていた。この9個以外に、今回の解析で新たに接着器官部位に局在して観察されたのは、10個が核酸・タンパク質合成にかかわるタンパク質、20個が各種酵素タンパク質のホモログ、2個が分子シャペロン、残り15個は機能未知のタンパク質だった。これらの中のには、これまで同定できていなかった接着器官の構成成分が含まれている可能性があり、現在、詳しい解析を進めている。今年度はまた、ORFにHisタグをつけてM. pneumoniae細胞内で発現できるベクターの検討も行った。
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