研究課題
睡眠覚醒が個体のみで生じる現象であるため、睡眠覚醒調節機構におけるオレキシン神経細胞の役割を明確にするには、全ての神経回路が保たれた丸ごと個体において、検証することが不可欠である。近年開発されたチャネルロドプシン2(ChR2)および、ハロロドプシン(Halo)を、オレキシン神経特異的に発現させると、in vivoにおいて、オレキシン神経の活動を光によって、人為的に制御することが可能となった。ChR2は、緑藻類に発現する非選択的陽イオンチャネルであり、450nmの青色光によって瞬時に活性化されてチャネルが開口する。そのため、青色光照射によって、膜電位は脱分極し、神経細胞では活動電位を発生させることが出来る。一方、Haloは、古細菌に発現する光感受性クロライドポンプであり、580nmの黄色光によって活性化されると、細胞外から細胞内ヘクロライドイオンを輸送する。すなわち、Haloを発現させた神経細胞では、黄色光照射によって、膜電位が過分極し、活動電位の発生がが抑制される。本年度は、オレキシンプロモーターを用いて、オレキシン神経特異的にChR2とHaloの両方を発現するダブルトランスジェニックマウスを作成した。組織化学的にオレキシン神経特異的にChR2とHaloが発現していることを確認し、実験に用いるトランスジェニックマウスラインを選別した。また、in vitroスライス標本を作成し、オレキシン神経にパッチクランプした後に青色光もしくは、黄色光の照射させて光刺激の条件設定を行った。
すべて 2009 2008
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)
J Clinical Inv 118
ページ: 2471-2481
J Neurosci 28
ページ: 228-238