• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

眼と手の協調運動における制御中枢間の相互調節

研究課題

研究課題/領域番号 20020002
研究機関弘前大学

研究代表者

蔵田 潔  弘前大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30170070)

キーワード到達運動 / 視覚座標系 / 運動座標系 / 座標変換 / 大脳皮質 / ニューロン活動
研究概要

ヒトやサルは視覚目標への到達運動を行うとき、通常、手と眼の協調運動により、この運動を達成している。手と眼の到達運動の生成過程では、到達目標の視覚空間座標情報は眼と手の運動空間座標に共通して用いられ、それぞれの運動の最終指令へと変換されるものと考えられる。一方で、手あるいは眼のいずれか、あるいはその両方を選択し、それら効果器への運動指令生成を行う過程も存在するものと考えられる。これらの統合的ならびに並列分散的処理を行う脳機能を明らかにするには、上記の到達運動生成過程を明らかにするための条件設定を満たす運動課題をサルに課し、課題遂行中の神経活動を解析することが必要である。そのため本研究では、ディスプレイ上に呈示した中心固視点に対し上下左右等距離にある4つの視覚目標へ、眼と手のいずれか、あるいはその両方による以下のような到達運動課題を行うようサルを訓練した。その際、眼球運動を赤外線眼球運動計測装置で、またマウスを用いたタブレットで手運動をモニターした。運動に先行する準備期間中に、次に行うべき運動が(1)手・眼のいずれか、または両方を動かすかを示す指示信号、および(2)4つの目標点のうちどの目標に到達すべきかを示す指示信号をランダムな順で与えた。訓練の完了した1頭のサルの一次運動野、運動前野腹側部・背側部、前頭眼野から単一ニューロン活動記録を行った。運動前野の代表的ニューロン活動として、指示信号の呈示後に一過性の活動の増加を示したが、その活動は手と眼の選択を示す信号が先に現れ、到達目標を示す信号が次に現れるときには、その両方に応答していた。しかし、その信号が逆の順で呈示されたときには、到達目標を示す最初の指示信号にのみ応答していた。このようなニューロンの存在は、眼・手の運動に関らない到達空間座標の変換に必要な情報処理に運動前野背側部が重要な役割を果たすものとして注目される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Effects of muscimol injection and intracortical mocrostimulation in th e ventral premotor cortex of monkeys2008

    • 著者名/発表者名
      Kiyoshi Kurata
    • 学会等名
      日本神経科学学会
    • 発表場所
      東京国際フォーラム
    • 年月日
      2008-07-10

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi