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2009 年度 実績報告書

衝動性と将来報酬予測機能における脳内セロトニンの役割

研究課題

研究課題/領域番号 20020019
研究機関広島大学

研究代表者

山脇 成人  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40230601)

研究分担者 岡田 剛  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 特任助教 (10457286)
キーワードセロトニン / reward delay impulsivity / rapid response impulsivity / うつ病 / 遺伝子多型 / 性格特性
研究概要

昨年度までの検討で、reward delay impulsivityにおけるセロトニンの役割が明らかになった一方で、うつ病患者を対象にこれまでの課題を行ったところ、理解力不足や注意の持続が困難であることより解析モデルにフィットせず、広く臨床に用いることができる簡易版報酬予測課題を作成しさらに検討を進める必要があった。
本年度は、簡易報酬予測課題の基礎検討((1)fMRI計測では個人ごとに計算されたγの値が大きいほど報酬予測値に関連した脳活動のピークが背側に位置している、(2)計算されたγの値が低いほど抑うつ尺度の得点が高い、などの結果が得られた)を経て、簡易版報酬予測課題、質問形式の遅延割引課題、rapid response impulsivityに関連した報酬・罰GO/NOGO課題と脳内セロトニン濃度変化との関連を検討した。その際、脳内セロトニン濃度と合わせて、衝動性に関与する重要な要因と考えられるセロトニン受容体の遺伝子多型やパーソナリティーの特徴(TCIおよびNEO-FFIで評価)も個人差として考慮した。その結果、(1)簡易報酬予課題において、セロトニン欠乏時におけるdiscount factor;γの低下(reward delay impulsivityの上昇)が個人の性格特性と関連していること、(2)報酬・罰GO/NOGO課題において、セロトニン2A受容体のAA型ではG carrierと比較してrapid response impulsivityが高く、その傾向はセロトニン欠乏時により顕著となること、(3)質問紙形式の遅延報酬選択課題においては、セロトニン欠乏時に将来予測される損失が割り引いて評価されること、などが明らかとなった。今回衝動性におけるセロトニンの役割を多面的かっ個人差にも注目して検討できたことは、様々な衝動性を有する精神疾患の病態解明を進める上でも非常に有意義であった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件)

  • [雑誌論文] Neural processing of negative word stimuli concerning body image in patients with eating disorders : An fMRI study.2010

    • 著者名/発表者名
      Miyake, Y.
    • 雑誌名

      Neuroimage 50

      ページ: 1333-1339

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Serotonin affects associatin of aversive outcomes to past actions.2009

    • 著者名/発表者名
      Tanaka, SC.
    • 雑誌名

      The Journal of Neuroscience 29

      ページ: 15669-15674

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 将来予期神経メカニズムとラつ病に関する脳機能画像研究2009

    • 著者名/発表者名
      小野田慶一
    • 雑誌名

      神経内科 71

      ページ: 105-111

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 遅延報酬選択における衝動性と抑うつ傾向2009

    • 著者名/発表者名
      小野田慶一
    • 雑誌名

      脳と精神の医学 20

      ページ: 249-254

    • 査読あり

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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